カラー複合機とカラーレーザープリンターの顧客満足度調査
国際的な調査機関、J.D. パワーが2025年のカラー複合機とカラーレーザープリンターに関する顧客満足度調査結果を発表しました。カラー複合機は特にラージおよびミドルオフィス市場における満足度が671ポイント、スモールオフィスでは663ポイント、カラーレーザープリンターでは639ポイントと調査されています。
満足度の向上
過去5年間のデータに目を向けると、カラー複合機とカラーレーザープリンターの顧客満足度が回復基調にあることが確認できます。
特に注目すべきは「商品」と「保守サービス」の両方で20ポイント以上の改善が見られていることです。「商品」ファクターにおいては、処理速度や待ち時間の短縮が評価され、トラブルの発生が少なくなっています。これにより、ユーザーは機器の基本的な性能について高い評価を示しています。
一方、「保守サービス」では、リモートメンテナンスが導入され、トラブル対応の迅速化が実現したことが影響しています。実際にリモートメンテナンスを利用している企業の約8割は、故障対応に満足していると回答しており、サービスの質が向上していることが伺えます。
DX推進への期待
調査では、文書デジタル化や業務プロセスの効率化を重要なテーマに挙げる企業が増加しています。特にラージおよびミドルオフィスでは44%、スモールオフィスは30%がこの方向に進んでいます。複合機メーカーも、IT機器としての役割を意識し、外部クラウドへの連携機能を強化しています。ところが、実際にクラウドサービスと連携している企業の割合は依然として1割にとどまっており、大きな成長は見られません。
このため、メーカーにはクラウド連携やそのメリットを強く訴求し、セキュリティ面への懸念を払拭する活動が求められます。
実際の活用事例
クラウド連携を進めている企業では、文書管理のほか、会計業務や契約業務での活用が進展しています。特に会計業務への活用は前年の12%から19%へと大きく増加しました。これは、最近の電子帳簿保存法の改正などが影響しています。
これにより、複合機を外部クラウドサービスと連携させた企業の満足度は、全体平均を上回る結果となっています。今後は、さらなる連携の普及が見込まれ、顧客満足度の向上が期待されます。
総合満足度ランキング
2025年の調査結果に基づき、以下のような総合満足度ランキングが発表されました。
カラー複合機顧客満足度調査
1. キヤノン(679ポイント)
2. リコー(675ポイント)
3. 富士フイルムビジネスイノベーション(673ポイント)
1. コニカミノルタ(684ポイント)
2. キヤノン(676ポイント)
3. 富士フイルムビジネスイノベーション(667ポイント)
カラーレーザープリンター顧客満足度調査
8年連続で総合満足度第1位を獲得したリコーは、「商品」「コスト」「保守サービス」の全てで高評価を得ています。これは、リコー自身が製品とサービスの質に注力した結果と言えるでしょう。
まとめ
2025年の調査からは、カラー複合機とカラーレーザープリンターの顧客満足度が上昇していることが明らかにされました。特にデジタル化の推進と保守サービスの質の向上は、企業が求める新しいニーズに応えています。今後の進展にますます注目が集まります。