地域で実現する持続可能な学びの未来
2025年5月、高知で開催予定のこども環境学会大会では、環境美化教育優良校と社会に開かれた教育実践奨励賞を同時受賞した学校の連携実践が取り上げられる。これに先立ち、公益社団法人食品容器環境美化協会は、受賞校の成功事例を分析した結果を発表した。目指すのは、学校教育と地域社会が一体となり、持続可能な学びの実践モデルを示すこと。
研究概要
今回の研究は、2020年度より設けられた「社会に開かれた教育実践奨励賞」と、従来から行われている「環境美化教育優良校等表彰」の優秀校である全国7校を対象としたものである。この7校の教育活動とカリキュラムマネジメントを分析し、これらが持続可能な学びをどのように支えているかを明らかにした。
特徴的な活動
各受賞校が実施している教育活動には、主に次の三つの要素が挙げられた。
1.
地域の社会課題への取組: 各学校が地域の持つ課題に対応し、実際にプロジェクトを展開。
2.
地域独自資源の活用: 地域の特性や資源を生かし、教育活動に組み込むことで地域の価値を創出。
3.
学校とコミュニティの連携: 地域内のさまざまな団体や個人との協力を通じて、教育効果を最大限に引き出す。
カリキュラムマネジメント
また、カリキュラムマネジメントについては、次の三つの要素が特徴的であることが判明した。
- - 具体的な実践活動: 生徒が積極的に参加できる実践活動の設定。
- - 持続可能な基盤の構築: 教育活動を継続させるための土台を作り、安定した教育環境を提供。
- - 理念の具現化: 教育の価値観や理念をしっかりと定め、それに基づく活動を行う。
これらの要素が相互に連携し機能することで、生徒が持続可能な社会を担う主体へと成長できる学ぶ環境が確立されているという。
教育美化教育優良校表彰事業
この表彰事業は、地域社会と連携をし、創造的かつ意欲的に環境美化教育に取り組む小・中学校を選出する。2000年度に始まり、年間を通じて全国各地の学校から推薦が行われ、これまでに1300校以上が表彰されている。地域の環境美化に寄与することを目的とした教育活動の重要性が再認識されている。
こども環境学会2025年大会
2025年の大会テーマは「インクルーシブなこども環境―こどもの自由は土佐の山間より―」。多様な専門家や研究者が集まり、このテーマのもとでの発表とディスカッションが予定されている。対面とオンラインのハイブリッド形式での開催が計画され、多くの参加者が期待される。
まとめ
このように、地域社会との連携を図りながら教育の質を高め、持続可能な学びへの道を切り開く事例が全国で広がることが期待される。地域に根ざした教育は、未来を担う子どもたちにとっての重要な要素であり、これからの教育現場にさらなる影響を与えることだろう。