高齢者の頭痛問題
2023-01-24 10:20:01

高齢者に多く見られる頭痛の実態とその影響調査を発表

高齢者における頭痛の実態と影響



日本の高齢者人口が増加する中、健康寿命の延長とともに、生活の質を維持するための健康への意識が高まっています。その中でも頭痛は、高齢者にとって無視できない問題の一つであり、特に片頭痛や痛み止めの使いすぎによる頭痛は、生活に深刻な影響を与える可能性があります。

日本における片頭痛の現状



日本では、片頭痛の年間有病率はおよそ8.4%とされていますが、特に20〜40歳代の女性に多く見受けられます。一般的に、軽視されがちな頭痛ですが、片頭痛によってもたらされる欠勤や労働・学業のパフォーマンスの低下は、個人あたり年間176万円に及ぶ経済損失を引き起こすと言われています。

片頭痛の治療法には、痛みが生じた時に使用する「痛み止め」と、痛みが起きる前に症状を軽減するための「予防薬」の二つが基本です。ただし、十分な治療を受けずに市販の痛み止めに頼る高齢者も少なくありません。実際、日本では片頭痛患者の約70%が何もせず、あるいは市販薬を使用しているという調査結果があります。このような状況は、医学的理由から放置され、放置された片頭痛患者の約3%が慢性片頭痛に移行するとされています。

糸魚川市での調査結果



最近、糸魚川総合病院と能生国民健康保険診療所が、65歳以上の市民を対象に行ったアンケート調査からも、頭痛に関する新たな知見が得られました。調査の結果、65歳以上の高齢者における頭痛の有病率は11.97%、片頭痛は0.91%、痛み止めの使いすぎによる頭痛は0.70%であることが示されました。

また、人工知能を用いた解析では、「緊張型頭痛」や「片頭痛」、さらには「薬剤の使用過多による頭痛」といった一般的な分類に加え、過去に脳卒中や脂質異常症、うつ病などを患った重症患者に特有の頭痛も存在することが確認されました。これらの結果は、高齢者の頭痛の病態に多様性があり、単純に片頭痛だけと考えるべきではないということを示唆しています。

期待される今後の展望



この調査から、約1%の高齢者が片頭痛や薬剤の過剰使用による頭痛を抱えていることが明らかになりました。社会で活動する高齢者が増える中、頭痛に対する理解や意識が不足している実情は、今後の課題となります。特に若い時から片頭痛を持っている人が不適切な治療を継続する中で、年齢を重ねても改善しないリスクがあることが懸念されています。

さらに、片頭痛による経済的損失は大きく、適切な治療を行うことで生活の質を高めることが可能です。これにより、高齢者だけでなく全世代において、片頭痛への理解が深まり、医療機関への受診が促進されることが期待されています。

我々全員がこの情報を認識し、高齢者の頭痛への社会的関心を高めることが求められています。健康な高齢社会を実現するために、早期の適切な対処がカギとなるでしょう。

会社情報

会社名
新潟県厚生農業協同組合連合会 糸魚川総合病院
住所
新潟県糸魚川市竹ケ花457-1,
電話番号
025-552-0280

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