生成AIと特許権の衝突
2024年12月24日、パテント・インテグレーション株式会社は、東京地方裁判所に対して、AI関連の特許権侵害に関する訴訟を提起しました。被告となるのは、Patentfield株式会社で、同社の特許情報サービス «AI特許総合検索・分析プラットフォーム Patentfield» および «Patentfield AIR» が、原告の特許権を侵害しているとされています。この提訴は、過去に提起された同様の訴訟の延長線上にあり、新たに発覚した特許権に基づいています。
訴訟の詳細
パテント・インテグレーションは、合計で4件の特許権に基づく6件の訴訟を行っており、特許権の侵害があったことにより損害賠償を求めています。また、今回の訴訟には被告の経営陣に対しても会社法に基づく責任を追及する旨の請求も含まれています。
特許法の観点から、侵害された品を業務で使用した場合、それもまた特許権侵害となるため、利用者にも法的な責任が生じる可能性があります。これにより、知的財産権を軽視した経営の結果、監督者個人にも責任を問われる可能性があるとされています。
被告のプレスリリースについて
しかし、被告は2024年11月26日に発表したプレスリリースで、「AI特許総合検索・分析プラットフォーム Patentfield」が今回の訴訟の対象外であるとの主張を行いました。しかし、原告側は、すでに提出したすべての訴訟においてこの製品を訴訟対象に含めており、具体的にどの機能が侵害されているのかも示しています。
パテント・インテグレーションのプロフィール
パテント・インテグレーションは、知的財産権の創出と保護を重視し、特許情報サービスにおいて業界内での認知が高まっています。2023年、特許庁主催のIPBASE AWARDSにおいて、その成果が評価され、特許実務における生成AIの活用に関する特許を持つスタートアップとしての地位を確立しています。
保有特許と今後の展望
現在、同社は知財分野における生成AIの活用に関する5件の特許を保有しており、将来的にもさらなる特許権の取得を目指しています。これらの特許は、それぞれ独創的な技術を基にしており、特許実務における生成AIの導入に向けた解決策を提供するものです。
訴訟提起の背景
パテント・インテグレーションは、訴訟を起こす前に、被告に対して特許権侵害についての詳細な警告を送信しており、協議に対する建設的な対応が得られなかったため、法的措置を取らざるを得なかったとのこと。同社においては、弁理士が率いる組織として、法的責任を果たすために最大限の努力を行っています。
まとめ
生成AIの進化は特許権の保護と密接に関係しており、今後もこの分野での訴訟が増加する見込みです。パテント・インテグレーションは、独自の技術を開発し続け、自社の知的財産を守ることに注力します。この訴訟は今後の特許制度にも大きな影響を与えることでしょう。