ポケットサインが描く未来の防災対策
2025年2月16日に茨城県常総市の石下総合体育館で行われた実証実験に、ポケットサイン株式会社が参加しました。この実験は、防災分野におけるデータの連携を目的としており、デジタル庁主催のもとで進められました。ポケットサインは三菱総合研究所と共同で、この新しいデータ連携基盤を活用した実証実験に挑みました。
データ連携基盤の意義
現在、日本では多くの防災関連アプリやWebサービスが存在しますが、これらのアプリが互いに連携していないため、利用者はそれぞれのアプリに個人情報を何度も入力する必要があります。これが、実際に災害に遭った際には大きな負担となってしまうのです。デジタル庁は、こうした課題を解決するために、2024年に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の一環として、データ連携基盤の構築を促進しています。
このデータ連携基盤により、利用者は選んだアプリに一度情報を入力すれば、それが他のアプリでも自動的に共有される「ワンスオンリー」が実現します。これにより、災害時の情報共有が飛躍的に向上すると期待されています。
実証実験の詳細
茨城県常総市の実証実験では、事前に募集した地域住民が被験者として参加しました。ポケットサインは公的個人認証サービス(JPKI)を用いて、厳格な本人確認を行い、他のアプリに統一的なIDを発行。また、その後の実験も東京都江東区で行われ、ポケットサインのミニアプリ「ポケットサイン防災」が同様に機能することが確認されています。
実験の流れ
- - 利用者は避難所の入り口に設置された2次元コードをスマホで読み込み、ポケットサイン防災を通じてチェックインを完了。
- - 管理者は、誰がいつ、どこに避難したかを把握することができるようになります。
- - また、他のアプリに登録された家族情報や支援者の情報が自動的にポケットサイン防災に取り込まれ、要支援者と支援者の情報共有が行われました。
- - アンケート機能もあり、避難所での必要物資に関する情報を集約し、ダッシュボードで可視化して共有することが可能です。
無料トライアルの提供
ポケットサインは、自治体向けに「ポケットサイン防災」の無料トライアルを実施中です。トライアル期間中に得られたフィードバックを元に、機能を改善し、より良い防災対策のシステムを構築していく計画です。
未来を見据えて
防災システムの進化は私たちの安全を守るために不可欠です。この取り組みを通じて、ポケットサインはマイナンバーカードの活用を促進し、さらなるデジタル化を進めていく考えです。災害時でも安心して生活できる社会を実現するため、今後も注目が集まるこの分野での進展に目が離せません。