台湾発「USPACE」が「軒先」を買収、アジア最大のスマート駐車場プラットフォームへ
台湾発の駐車場シェアサービス「USPACE」を運営する株式会社ユースペースは、スペースシェアリングベンチャーの軒先株式会社の全株式を取得したことを発表しました。これにより、USPACEは、台湾と日本で合計2,000以上の駐車場と約9万の駐車台数を管理し、140万人以上の会員を持つアジア最大のスマート駐車場プラットフォームとなります。
日本の駐車場DX加速へ
日本の駐車場業界は、未だにアナログな管理方法が主流で、利用者にとって空きスペースの検索や予約に時間がかかる、管理者にとっても管理に手間とコストがかかるなどの課題を抱えています。USPACEは、IoT技術やAIを活用することで、これらの課題を解決し、駐車スペースの利用効率向上を目指しています。
今回の買収は、USPACEが日本市場でさらなるシェア拡大を図るための戦略的な決断と言えます。軒先の持つ広範な駐車場ネットワークと、USPACEのAI技術を融合することで、より効率的で利便性の高いサービスを提供することが可能になります。
両社の強みを生かした連携
USPACEは、1分単位での予約や、AIによる顧客対応の自動化など、先進的な技術を導入することで、ユーザーにとって使いやすく、管理者にとっても効率的なサービスを提供しています。一方、軒先は、日本初の駐車場シェアリングサービスとして、約67万人の会員と33,000箇所の駐車スペースを保有しており、特に観光地やイベント会場周辺など、駐車需要が集中する場所での駐車場マッチングに強みを持っています。
両社は、それぞれの強みを活かし、相互のプラットフォームでサービスを導入・公開することで、更なるシナジー効果を生み出していくことを目指しています。具体的には、USPACE上で軒先パーキングの駐車場ネットワークが予約できるようになり、軒先パーキングは、USPACEのIoT技術を活用することで、リアルタイムでの空き状況確認や1分単位での予約に対応できるようになります。
今後の展望
USPACEは、今回の買収を機に、日本市場での駐車場シェアサービスの普及を加速させ、アジア全域での市場シェア拡大を目指しています。将来的には、EV充電ステーション、ガソリンスタンド、洗車サービス、カー用品ECサイト、自動車保険など、幅広い分野での事業展開も計画しており、アジア最大のスマート駐車管理プラットフォームとして、より便利な社会の実現に貢献していくことを目指しています。
各社のコメント
株式会社ユースペース 代表取締役 宋捷仁
>今回のパートナーシップは、収益と市場シェアを単純に統合するだけでなく、駐車場市場における未来の可能性とモビリティサービスの重要な戦略的な展開でもあります。当社が日本市場での展開を優先する理由、および今が適切なタイミングであると考える理由は、市場規模が台湾の40倍であり、駐車場DXが遅れている点、そして日本政府がDXを推進している点です。USPACEが開発した、車型、車種、ブランドを識別できる「AIナンバープレート認識技術」と「スマートフロアロック」は、日本におけるスマートパーキングモデルを変革すると考えています。今後も当社のさまざまな先端技術を導入することで、人件費が高い日本において、より良いソリューションを提供し、モバイルサービスのDXを加速させることを確信しています。
軒先株式会社 代表取締役 西浦明子
>弊社は2008年、まだシェアリングエコノミーという概念が日本に存在しない黎明期から一貫してこの領域に携わってきました。創業から10年以上経ち、シェアする文化やライフスタイルが徐々に浸透しはじめ、今や成長期に移行しつつあります。今回の提携により、更なる価値を提供できることを大変嬉しく思います。USPACEの技術力と私たちのサービスの融合により、新たなビジネスチャンスが広がり、日本のシェアリングサービスが一層発展し盛り上がることを期待しています。
台湾の親会社Uspace Tech Co., Ltd.主要株主】台湾大哥大股份有限公司(台湾モバイル)Chief Consumer Business Officer 林東閔 氏
>台湾モバイルは「シェアリングエコノミー」を推進するため、2022年にUSPACEに2億元を出資し、30%の株式を取得して最大のリード投資者となりました。自社の強みである通信、大規模データ、IoT(モノのインターネット)、および強力なカスタマーサービスを活用して、USPACEの台湾市場での拡大を支援しています。今回、USPACEが、日本の軒先株式会社を買収したことは、両社にとって国際市場の拡大に向けた重要なマイルストーンです。日本は世界第3位の経済大国であり、土地が狭く人口密度が高いため、駐車需要が非常に高い市場です。USPACEの先進的なスマート駐車技術を導入することで、日本の駐車場市場に変革をもたらし、ユーザーの駐車体験を向上させることができます。今後もUSPACEとの連携を続け、相乗効果を発揮しながら、新たなパラダイムシフトを追求し、超5Gエコシステムおよび新サービスの展開を図っていきます。
まとめ
USPACEの軒先買収は、日本の駐車場業界に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。両社の強みを活かした連携により、日本の駐車場DXが加速し、ユーザーにとってより便利で快適な駐車体験が実現すると期待されます。今後の展開に注目です。