日本語特化型LLMの登場
株式会社Lightblue(東京都千代田区)が、2025年2月3日に、中国発となる最新の推論型大規模言語モデル(LLM)「DeepSeek-R1」を基に日本語で追加学習を行った新たなモデル「Lightblue/DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B-Japanese」を公開しました。この発表は、AI業界において注目を集めています。
DeepSeek-R1の進化
DeepSeek-R1は、DeepSeekシリーズの最新型であり、特に推論能力に重点を置いて設計されています。このモデルは前モデルであるDeepSeek-V3からの進化版であり、強化学習(RL)の技術が導入されています。これにより、前のモデルよりも推論性能が大幅に向上し、さまざまなタスクにおいて高い実力を保持しています。
さらに、DeepSeek-R1はオープンソースかつ低コストであるにも関わらず、推論、数学、コーディングといった幅広い分野においてOpenAIのo1モデルと比肩する性能を誇ります。これらの特徴から、開発者や研究者たちの間で高い評価を獲得しています。
日本語における課題
しかし、DeepSeek-R1は英語や中国語においては優れたバイリンガル機能を持っているものの、日本語に関しては限界があったのが現実です。特に日本語でのプロンプトに対し、英語や中国語の混入が見られるという問題がありました。この問題がユーザーからのフィードバックとして寄せられていたため、改善が急務とされていたのです。
Lightblueの取り組み
そこで、Lightblueは独自に設計したデータセットを用いて短期間の追加学習を進めました。この努力によって日本語プロンプトに対する出力が一貫性を持ち、より自然な応答が可能になったのです。新モデル「Lightblue/DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B-Japanese」は、日本語専用として設計されており、ユーザーにとって利用しやすい選択肢となるでしょう。
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今後の展望
Lightblueは「デジタルの恩恵をすべての人へ」というミッションを掲げており、今後も日本語特化型LLMの開発を引き続き行っていく方針です。ユーザーが真に必要とするAIの構築を目指して、安全性を重視しながら、日本企業の生産性の向上と競争力強化へと貢献していく決意を示しています。
Lightblueについて
株式会社Lightblueは、2018年に設立されたAIスタートアップで、新しい技術を駆使した画像解析や自然言語処理に関するソリューションを開発しています。代表取締役は園田亜斗夢氏で、東京大学大学院教授の鳥海不二夫氏が顧問を務めています。
事業の一環として、法人向けAIアシスタントサービス「Lightblue Assistant」や、人物へ注目した画像解析システム「Human Sensing」といったサービスも提供しています。
お問い合わせ
- - 会社名: 株式会社Lightblue
- - 設立: 2018年1月
- - 所在地: 東京都千代田区神田駿河台2丁目3-6 CIRCLES御茶ノ水5F
- - コーポレートサイト: Lightblue