兼松とニッセイが球状歯車機構の市場投入に向けて提携
兼松株式会社は、2025年6月に株式会社ニッセイとの間で「球状歯車機構」に関する再実施権契約を締結しました。この契約によって、球状歯車機構の量産に向けた本格的なマーケティングの進展が期待されています。
球状歯車機構の概要
球状歯車機構は、X-Y-Zの三軸において無制限に回転できる非常に柔軟な歯車システムです。この3自由度の特性により、ロボットの関節や様々な機械への応用が可能で、介護、医療、外食、さらには宇宙産業など幅広い分野での生産性向上や効率化が期待されています。この機構は、国立大学法人山形大学の多田隈研究室によって発明され、現在も研究が進められています。
兼松の取組み
兼松は2022年に山形大学と共同研究を始め、工業製品化に向けて開発を進めてきました。この協働は、高い負荷に耐えることができる製品の実現に向けたもので、具体的には金属製の球状歯車機構の早期市場投入を目指しています。このプロジェクトは、ニッセイの豊富な商品開発経験と量産加工技術を活かして実現されます。
サブライセンス契約の意義
今回の契約により、兼松は山形大学から取得した球状歯車機構に関する通常実施権をニッセイにサブライセンスすることとなります。これにより、ニッセイは自身の強みを活かし、より耐久性のある金属製の歯車機構を市場に投入できる道が開かれました。このような連携により、より多くの企業が球状歯車機構を活用できるようになると期待されています。
社会への貢献
兼松は、中期経営計画の一環として「イノベーションの探索と実装による提供価値の拡充」を掲げています。球状歯車機構の開発と多様な産業への応用を通じて、社会的な課題を解決するための新たなソリューションを提供する計画です。この取り組みは、単なる製品の発売にとどまらず、社会全体にポジティブな影響を及ぼすことを目指しています。
企業情報
広報室連絡先: 03-6747-5000
公式ウェブサイト
設立: 1942年3月12日
代表: 野﨑剛寿
所在地: 愛知県安城市和泉町井ノ上1番地1
事業内容: 各種減速機、歯車の製造販売、不動産賃貸など
公式ウェブサイト
この契約は、今後の技術革新や社会の変化に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。さらなる展開が楽しみです。