振動低減に貢献する新ツール登場!小野測器が「損失係数算出ツールOT-0450」を発売
株式会社小野測器は、電子計測器の製造・販売を手がける企業です。同社は、自社の周波数応答計測ソフトウェア「OS-4100」で測定したデータを用いて、制振材料の損失係数とヤング率を算出する「損失係数算出ツールOT-0450」を新たに発売しました。
損失係数とは、機械振動や高分子材料分野において、振動減衰性能を示す重要な指標です。このツールは、短冊形の試験片を用いた片持ちはり法や中央加振法で測定された複層試験片の周波数応答関数から、JIS K7391に準拠した計算式を用いて、制振材料単体での損失係数とヤング率を算出します。
振動低減性能を可視化し、製品開発をサポート
損失係数が大きい材料は、振動低減や放射音低減に効果を発揮する制振材料として、構造物表面などに貼り付けられます。OT-0450は、材料の振動減衰性能を数値化することで、適切な材料選定を支援し、自動車、産業機械、スポーツ用品など様々な製品の品質向上や耐久性向上に貢献します。
OT-0450の主な特長
単層・2層形試験片だけでなく、サンドイッチ構造や両面貼付構造の試験片にも対応
複数の温度条件での測定結果を重ねてグラフ表示可能
OS-4100のペアレンジ機能を活用し、測定時間を短縮
ターゲットとなる市場
新規材料開発を行う化学・金属・繊維メーカー
振動の影響を受ける製品開発を行う自動車・自動車部品・機械・家電・スポーツ用品メーカーなど
測定方法
OT-0450に対応する測定方法は、以下の2つです。測定は周波数応答計測ソフトウェアOS-4100で行います。
片持ちはり法:短冊形の試験片の片端を固定し、もう一方の端を加振する
* 中央加振法:試験片を水平に支持し、中央を固定して加振する
小野測器について
小野測器は、1954年創業の老舗企業です。創業当初から電子計測機器の製造・販売、エンジニアリングサービスを展開し、国内初となるジェットエンジンの回転数をデジタル計測する回転計を開発しました。
自動車産業では、二輪・四輪車、自動車部品、建設機械、食品、医療検査など幅広い分野において、研究開発から製造工程まで、様々な測定技術を提供しています。
近年では、電動車両(EV)開発支援など、カーボンニュートラル社会の実現に向けた新たなビジネス領域にも参入しています。
まとめ
小野測器が発売した「損失係数算出ツールOT-0450」は、制振材料の振動減衰性能を数値化することで、製品開発における材料選定や品質向上に貢献する画期的なツールです。振動の影響を受ける製品開発に関わる企業にとって、OT-0450は非常に有用なツールとなるでしょう。