小学生の夏休みの宿題事情:保護者の半数以上が「宿題が少ない」と感じている!?
ベネッセコーポレーションが実施した全国の小学生とその保護者を対象とした夏休みの宿題に関する調査結果が発表されました。調査結果によると、保護者の半数以上が自身の小学生時代と比べて、子どもの夏休みの宿題の量が「少ない」と感じていることが明らかになりました。
近年、小学校によっては、宿題の量を減らしたり、廃止したりする動きも見られることから、保護者の感覚と実際の宿題量の減少が一致していると言えるかもしれません。
「自由研究」は子どもも保護者も「もっとも大変」
調査では、夏休みの宿題の中で「もっとも大変だと思う宿題」について、子どもも保護者も「自由研究」をトップに挙げました。次いで、読書感想文、日記・絵日記と続き、自分の考えや経験を表現する必要がある宿題が難しいと感じられているようです。
保護者の半数以上が「自由研究」を手伝う
「自由研究」は、子どもにとっても保護者にとっても大変な宿題ですが、調査では、保護者の52%が子どもの自由研究を手伝うと回答しました。一方で、「手伝わずに子どもにまかせる」という回答はわずか3%にとどまりました。
夏休みの宿題は必要?
夏休みの宿題の必要性については、小学生の6割、保護者の8割が「必要」と回答しました。小学生は「夏休み前までの学習の復習」を、保護者は「学習習慣づくり」「生活のメリハリ」を、宿題に期待する理由として挙げています。
自由研究を通して育む力
ベネッセ教育総合研究所主席研究員の木村治生氏は、自由研究を通して育む力は、単なる知識や技能の習得を超えたものだと指摘します。
「自由研究は、自分でテーマを設定し、仮説を立てて調査を行い、その結果をまとめて発表する探究活動です。教科書の知識を覚えるだけでなく、自分で決めたテーマを追究することで“好奇心”が育ち、それはこれからの学びの原動力になります。また、レポートや作品を制作することで身につく“課題を解決する力”は、将来、さまざまな問題を乗り越え、新しい価値を創造していく上で役立ちます。」
保護者は子どもの力を伸ばすためのサポートを
木村氏は、保護者の関わり方についてもアドバイスしています。「子どもの力を伸ばすためには、保護者のかかわりは最低限にするのが原則です。しかし、子どもがつまずいているようであれば、励ましたり、考えるヒントを与えたりといったサポートは必要です。適度なサポートは、子どものやる気を高め、思考を深める効果があります。」
自由研究を通して、子どもたちは主体的に課題に取り組み、自ら学ぶ喜びを味わうことができます。保護者は、子どもの成長をサポートするために、適切な距離感を保ちながら、子どもの自主性を育むことが大切です。