鹿児島県がフォーバルと連携し高度デジタル人材育成に着手
鹿児島県はこのたび、株式会社フォーバルが提案した「令和7年度高度デジタル人材育成支援事業」を受託しました。フォーバルは、ESG経営を支援する「企業ドクター」集団で、全国でさまざまな企業へのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。
事業の背景と目的
この事業が始まった背景には、鹿児島県の多くの中小企業が抱える「何から始めれば良いか分からない」という問題があります。特に、観光や農林水産業、食品加工、小規模製造業など地域に根ざした企業が多く、経済の変化に対応するためにはデジタル技術の導入が不可欠です。
さらに、フォーバルのリサーチによると、約80%の企業がDXに興味を示しているものの、実際に取り組んでいる企業はたった30%という結果が出ました。また、多くの企業は社内にDXを推進できる人材を抱えていない現状が浮き彫りになっています。このことからも、鹿児島県内でも同様の問題があると認識されています。
事業の内容
本事業では、鹿児島県内のIT技術者を対象に、高度デジタル技術講座とITコンサルティング技術講座という2つの育成プログラムが実施されます。
高度デジタル技術講座
全4回にわたるこの講座では、AIや生成AI、業務効率化ツールといった最新の技術を学びます。座学の他、ワークショップ形式での実践を通じて、初級から上級まで段階的なスキル習得が可能です。実務に直結した知識が身に付くこの講座は、特に現場での活用が期待されています。
ITコンサルティング技術講座
こちらも全3回の講座で構成されており、受講者は3つのグループに分かれて実際の中小企業を訪問します。企業の現場課題をヒアリングし、ITを活用した具体的な解決策を提案することが目的です。講座の最終回では、提案発表会を開催し、企業や講師陣からのフィードバックを受けることにより実効性の高いスキルを習得できます。
事業の意義と将来展望
この事業は、単なる知識習得にとどまらず、地域企業との信頼関係を築くことや、持続可能な支援体制を構築することを目指しています。人材と企業が継続的に連携することで、鹿児島県内に自走型のDX支援ネットワークを形成し、地域経済の底上げを図ることが期待されています。
株式会社フォーバルについて
株式会社フォーバルは、ESG経営を支援する「企業ドクター」集団であり、情報通信や環境、人材教育などの分野で中小企業に特化したコンサルティングサービスを提供しています。彼らは政府の掲げる地域活性化に貢献するため、全国でDX・GX人材の育成に努めています。
まとめ
鹿児島県と株式会社フォーバルの提携は、地域経済に新たな息吹をもたらす大きな一歩となります。デジタル技術の導入を進めることで、多くの中小企業が持続的に成長できる環境が整い、地域経済の発展に貢献することが期待されます。