Beyond Next Venturesの新たな挑戦
Beyond Next Ventures株式会社が、2023年3月に設立した3号ファンド(正式名称:Beyond Next Ventures3号投資事業有限責任組合)を257億円の資金調達をもってファイナルクローズしたことを発表。この結果、同社のファンド運用総額は約480億円に達し、さらなるディープテックへ向けた投資が期待されている。
3号ファンドの特徴と取り組み
3号ファンドは、過去の実績に基づき金融機関や事業法人だけでなく、年金や大学などの広範な機関投資家から資金を調達した。これにより、シードから成長段階にかけて、企業のファイナンスを持続的に支援する体制を確立した。特に1社あたりの最大累積投資額を20億円に引き上げ、運用期間も11年に設定。これにより、出資先企業が求める資金を迅速に調達することが可能となる。
カンパニークリエーションの強化
Beyond Next Venturesは、投資の革新にも力を入れ、「カンパニークリエーション」という独自のアプローチを通じて、ディープテックスタートアップの創業を促進する。2024年6月にはデータサイエンスやヘルスケアなど様々な分野に特化した客員起業家(EIR)の募集を開始し、有能な研究者とのマッチングを通じて新たな起業を加速させる方針である。
海外進出支援の強化
特にインドにおいては、2020年に子会社を設立し、現地のネットワークを活かした事業展開の基盤を固めている。この支援体制を利用して、国内企業の海外進出を後押しする専任者が配置され、多くの企業が国際市場への進出を果たしている。
ESG投資とインパクト投資を推進
また、2023年12月にはESGに関するガイドラインを策定し、2024年3月にはPRI(責任投資原則)に署名。この方針に基づき、環境や社会貢献を重視した投資を進めると共に、自社の取り組みとして多様性やガバナンスの強化にも注力している。これにより、企業の持続可能性を高める取り組みも行われている。
今後の展望
3号ファンドは医療、バイオ、アグリテック、デジタル技術(量子やAI)など、多様な領域への投資を狙いとしており、25社程度のスタートアップに焦点を当てる予定だ。特に、過去のファンドでの成功事例を参考に、より多くの企業の成長を支援することが期待されている。
Beyond Next Venturesは、先進的な技術を活用して地球規模の課題解決に取り組むことを掲げ、今後も独自のエコシステムの構築に注力していく。創業当初から変わらぬ思想で、革新的な技術を持ったスタートアップと共に未来を見据えた成長を図っている。今後も目が離せない企業の一つである。