CO₂液化技術の成功
2024-09-13 14:48:15

JX石油開発と日本郵船がCO₂液化技術の実証試験を成功させた理由

JX石油開発と日本郵船のCO₂液化技術実証試験



2023年8月28日、JX石油開発株式会社、日本郵船株式会社、およびKnutsen NYK Carbon Carriers AS(KNCC社)の3社は、共同で二酸化炭素(CO₂)の液化・貯蔵プロセスに関する実証試験を成功裏に実施しました。本試験は、KNCC社の独自技術「LCO₂-EPCargo Tank」を活用し、常温昇圧(EP)方式による新たな液化・貯蔵方法の最適化に向けたものです。

目指すは持続可能な社会



このプロセスは、常温でCO₂を液化・貯蔵することができるため、従来の方式よりも効率的でエネルギー削減が期待できます。具体的には、既存の液化技術に比べて最大20%のエネルギーをカットできる可能性があるとされています。また、必要な設備はコンパクトでシンプルであり、モジュール化や浮体化も視野に入れた設計が可能です。

このような特長は、CO₂の貯蔵・輸送におけるコスト削減や敷地面積の縮小に寄与するため、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)およびCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)技術の進展に重要な役割を果たすことが期待されています。

実証試験の内容



今回の実証試験は、ノルウェーのKNCC社が保有するテストリグにおいて、CO₂を集積し、タンクへ移送する過程を再現しました。これにより、液化装置の機能が確認され、「LCO₂-EP Cargo Tank」への移送が成功しました。この成果により、本技術はTRL(技術成熟度レベル)6を達成したとされています。この達成は、技術が実証システムに導入する準備が整ったことを意味します。

各社の喜びと今後の展望



JX石油開発株式会社の山田哲郎副社長は、「今回の実証実験の成功は、3社の情熱とプロフェッショナリズムの成果であり、重要なマイルストーンです」と述べ、今後も連携を強化し、持続可能な社会に向けての取り組みを継続していく意向を示しました。

日本郵船の横山勉執行役員も、「実証実験の成功を嬉しく思います。これはCCS事業化における液化貯蔵プロセスのコストと敷地面積削減に寄与するものです」とコメントしています。

KNCC社のOliver Hagen-Smith CEOは、このプロセスがCO₂の液化におけるゲームチェンジャーであると強調しました。具体的には、OPEX(運営費)や土地の使用を最小限に抑え、陸上貯留設備の必要性を排除する可能性についても言及しています。

未来を見据えた取り組み



今後、3社は実証試験の結果をもとにさらなる研究を進め、技術の実装や普及に向けた活動を展開します。初期段階ではコスト削減が期待されるこのプロジェクトが、いかに持続可能な社会の実現に寄与できるかが、大きな関心を集めています。CO₂の液化・貯蔵技術は、地球温暖化に対して重要な対策となることが望まれ、今後の展望が楽しみです。

各社の概要


  • - JX石油開発株式会社
- 所在地: 東京都千代田区
- 代表者: 中原俊也社長
- ウェブサイト

  • - 日本郵船株式会社
- 所在地: 東京都千代田区
- 代表者: 曽我貴也社長
- ウェブサイト

  • - Knutsen NYK Carbon Carriers AS
- 所在地: ノルウェー・ハウゲスン
- 代表者: Oliver Hagen-Smith CEO
- ウェブサイト



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会社情報

会社名
JX石油開発株式会社
住所
東京都千代田区大手町1-1₋2ENEOSビル
電話番号

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