ケリングがラセッリ・フランコ・グループの段階的買収を発表し、ジュエリー市場に新たな変革
ケリング、伝統あるラセッリ・フランコ・グループの買収を発表
2023年10月、フランスのラグジュアリーブランドグループであるケリングが、ハイジュエリー製作で知られるラセッリ・フランコ・グループの段階的な買収を発表しました。今回の取り組みは、ケリングの長期的な成長を支える重要な戦略の一部であり、同社のブランド力をより一層強化することが目的です。
ラセッリ・フランコ・グループは、1969年に設立された家族経営の企業で、ジュエリーのプロトタイプ制作と製造の分野において国際的な評価を得ています。同社は、鋳造やCNC加工に関する高度な技術を有し、品質管理に至るまでのすべての製造プロセスを自社で行う体制が整っています。この体制により、業界内での競争力を維持し、高品質な製品を常に市場に供給してきました。
ケリングのジュエリーブランドには、ブシュロンやポメラート、ドド、キーリンなどがあり、これらはいずれも安定した成長を遂げています。買収を通じてケリングは、生産能力をさらにつけ加え、各ブランドのクラフツマンシップを向上させ、ジュエリー市場での影響力を一層強化します。特に、クリエイティブな表現や確かな技術に重きを置くケリングにとって、ラセッリ・フランコ・グループは理想的なパートナーです。
買収は段階的に進行し、2026年第1四半期に最初の20%の持ち分を取得する予定です。最終的には2032年までに完全な所有権を得る計画が立てられています。この取引は、通常の承認手続きを経て完了する見込みです。
ケリングのCEO、ルカ・デ・メオは「今回の買収は、我が社のジュエリーに対するビジョンを体現した大きな節目だ」と述べ、ラセッリ・フランコ・グループが持つ豊かな伝統と持続可能性への意志が、今後の事業に与える影響について語りました。彼はまた、「我々はジュエリーの未来を形づくるために、卓越性を追求し続ける」と、その決意を明かしました。
一方、ラセッリ・フランコ・グループのCEO、アンドレア・ラセッリは、「このパートナーシップによって当社はさらに成長し、長年にわたり協力してきたブランドへのサービスを最適化できる」と意気込みを語りました。彼もまた、家族経営がもたらす価値観と、未来に対する志を強調しました。
ケリングの成長とその影響
この買収により、ケリングはジュエリー業界においてさらなる影響力を持つことが期待されます。高品質な製品の提供だけでなく、サステナブルな未来を見据えた責任あるビジネスモデルが求められるなか、ケリングの戦略は、業界の動向に対する強い発信力を持つことでしょう。
また、ケリングは、未来のラグジュアリーをサステナブルかつ責任ある形で創造することを使命とし、各ブランドが独自のクリエイティビティを発揮できる環境を提供しています。2024年には売上高172億ユーロを達成し、約47,000人の社員を抱えるこの企業の成長は、今後も続くことでしょう。
このように、ケリングとラセッリ・フランコ・グループの新たな結びつきは、ジュエリー市場において革新と成長の象徴となり、消費者にとっても期待の高い動きとなるはずです。業界全体がどのように変化していくのか、今後の展開から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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株式会社ケリングジャパン
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-1-5
- 電話番号
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