アルテアエンジニアリング株式会社(以下、アルテア)とCognite株式会社(以下、Cognite)は、2023年2月6日に新たな技術的連携を発表しました。両社の共同開発により、アルテアの機械学習プラットフォーム「Altair RapidMiner」と産業向けのDataOps基盤「Cognite Data Fusion®︎」(以下、CDF)との間に新しいExtension(拡張機能)が登場しました。
このExtensionの導入により、CDFに格納されたデータをAltair RapidMinerに簡単に取り込むことができるようになり、データ分析や機械学習を効率的に行えるようになります。また、RapidMinerで生成された分析結果をCDFに送信することも可能となり、双方向のデータ連携が実現されました。
Altair RapidMinerとCDFがもたらす効率化
Altair RapidMiner自体は、データ分析と機械学習を実行するための包括的なプラットフォームであり、特に製造業や化学・素材産業の分野で幅広く利用されています。これまで、データ分析においては、データを抽出し、加工、クレンジングを行う工程に多くの時間を費やしていました。特に製造業においては、これらの作業が全体の約80%を占めることも少なくありませんでした。
しかし、この新しい連携によって、実際のデータ処理作業が大幅に簡素化され、リアルタイムでのデータ分析が可能になります。各社のユーザー企業からは、この新機能によって設備の稼働率向上や生産の最適化が進むことへの期待が寄せられています。
利用企業からの期待の声
株式会社日本触媒姫路製造所DX推進部の野本耕治部長は、新しいExtensionにより生産の効率化が期待されると述べています。”この機能により、従来は不可能だったリアルタイム分析が実現し、最適化の取り組みが加速することを期待しています。”と強調しました。データサイエンティストの高瀬駿氏も、Altair RapidMinerとCDFのダイレクトな接続がデータ分析の効率化に寄与すると話し、解析精度の向上が期待できるとの見解を示しました。
両社の代表者のコメント
アルテアエンジニアリングの代表取締役社長、加園栄一氏は、この新機能が両社のユーザー企業にとって大変有益であると確信しており、100以上の拡張機能を持つAltair RapidMinerがさらなるデータ活用を促進すると述べています。同様に、Cogniteの江川亮一社長も、デジタル化による業務効率化を進めるためには、データをコンテクスト化することが重要であると説明しています。
企業情報
Cognite ASは、2016年にノルウェーで設立され、製造業や重厚長大産業に特化したデータ統合基盤やアプリケーションを提供しており、日本国内ではCognite株式会社が顧客への販売やマーケティングを行っています。一方のアルテアも、計算科学やAI分野においてグローバルリーダーであり、より効果的なビジネス意思決定をサポートするためのソリューションを展開しています。
このように、両社の連携によって製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、データ分析がさらに発展することとなります。これにより、業界全体が新たな段階に進化していくことが期待されています。