株式会社Path Being、アフリカでのバイオ炭事業に着手
株式会社Path Beingは、アフリカのザンビアとウガンダにおいて、持続可能な農業と環境保護を目指すバイオ炭製造プロジェクトを進行中です。本プロジェクトは、経済産業省の「J-Partnership(社会課題解決型国際共同開発事業)」に採択され、現地の農業課題にウィンウィンの解決策を提供することを目的としています。
ザンビアの農業の課題
ザンビアの農業界では、長年の農作物栽培により土壌の有機物が減少し、気候変動によって降雨パターンが不安定化する事態が続いています。これにより、作物の収量は減少し、農家は安定した生産を維持するのが非常に困難になっています。
特に、化学肥料の価格高騰は農家の経済的負担を大きくし、持続可能な農業を実現することが一層難しくなっています。このような背景から、農業生産性向上と土壌の改善が急務となっています。
バイオ炭の製造・普及モデルの構築
Path Beingは、ザンビアの農業加工企業「Luano Honey」と協力し、地域で発生するアボカドの搾汁残渣を利用したバイオ炭の製造を開始します。中型で可搬型の炭化装置を導入することで、農村部でも容易に利用できるバイオ炭生産体制を確立することを目指します。
製造されたバイオ炭は、Luano Honeyの農家ネットワークを通じて安価に提供され、効果的な施用方法やその効果の確認も並行して進められます。
現地企業との連携による普及の可能性
Luano Honeyはザンビア国内で蜂蜜やアボカドの栽培・加工を手がける農業企業で、肥料原料の販売ネットワークも有しています。このため、同社との提携により、バイオ炭の広域普及が期待されています。
ウガンダでのコーヒー事業の再生モデル
同時に、Path Beingはウガンダでのバイオ炭事業も展開中です。こちらは、「AfDX」事業として、現地の中小規模農家が生産するコーヒーの精製過程で発生する外皮を利用し、バイオ炭を製造して土壌改良の実証を行います。また、日本市場に向けた脱炭素型コーヒー流通の可能性も探ります。
今後の展望
Path Beingは本事業を通じて、バイオ炭の社会実装を加速させるとともに、カーボンクレジット制度への登録に向けた体制も形成していきます。今後は、地域の農業生産性改善や環境修復に加え、脱炭素社会の実現を目指し、他のアフリカ諸国へのモデル展開も視野に入れています。
このプロジェクトは、経済産業省の「技術協力活用型・新興国市場開拓事業費補助金」の支援を受けて実施されており、Path Beingの取り組みが今後のアフリカ地域の持続可能な成長に寄与することが期待されます。
会社概要
- - 会社名:株式会社Path Being
- - 代表者:代表取締役 伊藤淳
- - 設立:2022年
- - 事業内容:バイオ炭製造、カーボンクレジット開発、農業支援事業など
- - 公式サイト
このように、Path Beingはバイオ炭を通じた農業の未来を積極的に切り開いています。温暖化や農業問題の解決には、多様なアプローチが必要であり、彼らの取り組みはその一つの答えと言えるでしょう。