Canonicalが発表した軽量Kubernetes HA MicroK8sの革新性とビジネス活用法

Canonicalが新たに提供するHA MicroK8s

2020年10月15日、イギリス・ロンドンのCanonicalは、新たに軽量Kubernetesの「HA MicroK8s」を発表しました。この新しい技術は、自動高可用性（HA）クラスター構築機能を搭載し、特にIoTや開発者向けのワークステーションとして広く利用されています。

MicroK8sの主要な特長

MicroK8sは、Kubernetesの機能を最小限に抑えつつも、フル機能のKubernetesクラスターを簡単に構築できることが特長です。コマンド一つでインストールとクラスター作成が可能であるため、開発者や管理者にとって非常に便利なツールと言えます。

自動高可用性機能は、3つ以上のノードで構成されるクラスター環境で自動的に有効になります。これにより、ノードに障害が発生した場合でも、データストアは他のノード間で自動的に移行し、システムの安定性を保ちます。Canonicalのプロダクトマネージャーであるアレックス・チャルキアス氏は、この新機能が「zero-ops環境」の実現を可能にすることを強調しています。

実際のビジネス利用

例えば、MavenCodeの共同創設者であり、MLOpsプラットフォームエンジニアのシャールズ・アデチロイ氏は、MicroK8sを利用することで機械学習モデルのパイプラインを円滑に運用できていると述べています。特に、セットアップが容易であるため、迅速な実験環境の構築が可能となり、チーム全体の効率が向上しています。

フェイルセーフなデータストア

HA MicroK8sは、データストアにDqliteを採用しており、これがシステムの重要な部分を支えています。Dqliteは改良されたSqliteで、クラスターのメモリ使用量を削減し、データストアの維持管理を自動化します。このため、システムは必要なリソースを効率的に使用し、信頼性の高いサービスを提供し続けることができます。

エッジ環境への応用

また、HA MicroK8sの特長はエッジノードにおいても発揮され、遠隔地の支社や小売店舗、さらには自動車などの環境でも非常に有用です。分散型のマイクロクラウドでは、管理コストが増加する傾向がありますが、HA MicroK8sを利用することにより、従業員コストを削減できます。さらに、snapパッケージを用いることで、ネットワーク経由で簡潔にソフトウェアを更新したり、セキュリティパッチを自動で適用することが可能です。