金沢工業大学が開設予定のサステナブル材料研究拠点
金沢工業大学の革新複合材料研究開発センター(ICC)は、ドイツのフラウンホーファー研究機構の鋳造・複合材料・プロセス技術研究所(IGCV)との協力により、日本初のサステナブルな複合材料に関する研究拠点を設立することが決定しました。この拠点は2024年度中に開設される予定です。
研究開発と事業化拠点の意義
フラウンホーファーIGCVは、特に炭素繊維複合材料の研究において国際的に高い評価を得ている機関です。この共同研究開発の取り組みは、日本国内では初めてとなります。両者は「リサイクル炭素繊維複合材料を活用した製造技術と適用技術」をテーマに、研究開発および技術移転を行うことを目指しています。
現在、GX(グリーントランスフォーメーション)が世界的に推進されている中で、風力発電や燃料電池車の先端技術による炭素繊維複合材料の活用が期待されています。しかし、日本国内では新規開発が少なく、成長の兆しは見えません。SDGsの目標にも挙げられる「つくる責任、つかう責任」を考慮に入れると、リサイクルへの取り組みが不可欠です。
ICCの役割
ICCに設置される研究ユニットは、リサイクル炭素繊維複合材料に特化したone-stop-shopのスタイルで運営される予定です。フラウンホーファーの研究者が常駐し、石川県内外の企業と連携しながら、炭素繊維複合材料事業の成長に寄与していく見込みです。
フラウンホーファー研究機構について
フラウンホーファー研究機構は、ドイツ国内に77もの研究所を擁し、約32,000名の研究者が活躍する世界有数の応用研究機関です。その中でもIGCVは、鋳造・複合材料に関する先端的な研究を行っています。
参画イベント
新しい研究拠点の開設に先立ち、2025年1月16日には「コンポジットハイウェイコンベンション2024」が石川県地場産業振興センターで開催されます。このイベントでは、フラウンホーファーIGCVの研究者が講演を行い、最新の研究成果を共有する機会となります。参加は無料で、広く一般に公開されます。
金沢工業大学は、この新たな拠点を通じて、国内外の研究者と連携し、持続可能な材料の研究開発を進め、社会全体の技術革新に貢献することを目指しています。