概要
最近、株式会社日本農業新聞と株式会社アイクリエイトが実施した共同アンケートでは、361名の生産者と消費者が気候変動による影響についての意見を表明しました。この調査では、98%の回答者が気候変動による影響を実感しているという結果が得られ、国民の間に広がる危機意識が浮き彫りになりました。さらに、生産者の97%が自らの農業経営が影響を受けているとの認識を示し、農業の未来に暗い影を落としていることが明らかになりました。
アンケートの詳細
本アンケートは、2023年4月3日から10日の期間に実施され、多様な立場の人々からの意見を収集することを目的としています。回答者は農家や農業関係者が224名(62%)、消費者が137名(38%)という比例で、その分布が現状の認識の違いを浮き彫りにしています。
主な調査結果
食に対する深刻な影響
調査結果の中で、98%の人々が気候変動が日本の食に影響を及ぼしていると回答しました。この中で、生産者からの意見として「温暖な時期が長引くことで、害虫被害が激増している」という声がありました。また消費者側からは「耕作放棄地が増えており、食料供給に不安がある」という意見もあり、双方が危機感を持つ結果になりました。
農業経営への打撃
農業に従事している方々の中で、97%が気候変動の影響を自覚しており、「農業を続けられないほどの打撃」を実感する人が8%に達し、63%は「農業は続けられるが深刻な打撃を受けている」としています。このように、多くの農業生産者が厳しい立場に置かれていることが浮かび上がっています。
認識のギャップ
気候変動に伴う食料生産への影響を受けて、農家が必要とする「再生産価格」の認知についても調査が行われました。その結果、生産者側の55%がその概念を詳しく知っていると答える一方で、消費者側では29%しかいないことが判明し、認識の差が顕著でした。
食を守るための行動
日本の食を守るために、実際に行動していると答えた人は88%に達し、その中で最も多かった行動は「地元産や国産を積極的に購入する」ことでした。他にも「再生産価格を受け入れる」とする意見も見られ、価格を巡る意識の変化が確認されました。例えば、福島県の兼業農家は「食の価格を上げるべきだ」と考える一方で生活への配慮も怠らない声が上がっています。消費者側からは、国が農業を守る姿勢が重要だという意見も寄せられました。
結論
気候変動は日本の食と農業に深刻な影響を及ぼしています。この調査を通じて、より多くの人々にその現状や危機意識を知ってもらうことが重要です。今後も、問題解決に向けた情報発信を続けていく必要があります。私たちは今、行動を起こす時です。日本の食を守るために、各自ができることから始めていきましょう。