江井ヶ嶋酒造、新たなウイスキーブランド「香掬」を発表
兵庫県明石市に本社を置く江井ヶ嶋酒造株式会社が、新しいシングルモルトジャパニーズウイスキー「香掬」(カスク)を、2023年5月20日から全国の酒販店とオンラインショップで販売します。この新ブランドの登場は、樽からインスピレーションを受けたウイスキー作りへの新たな試みです。
ブランドの特徴
江井ヶ嶋酒造は1919年にウイスキー製造の免許を取得し、1961年から本格的な製造を開始しました。以来、同社は40種類以上の異なるタイプのカスクを使用し、伝統的なバーボン樽やシェリー樽、日本酒カスク、ポートワインカスク、さらには栗カスクといった多様な樽から各ウイスキーの個性を引き出してきました。「香掬」では、これらの豊かな樽の特性と香りを巧みに「掬い上げ」ることを目指しています。
先行試飲の実施
この「香掬」の発売に先駆け、4月にはウイスキーイベントにて先行試飲を実施しました。特に神戸と横浜で行われたイベントでは、ウイスキーファンから注目を集め、多くの人々にその魅力を体験していただきました。
商品の詳細
新ブランドの中でも特に注目される商品は「香掬オールドシェリーバット 15年」です。このウイスキーはモルトを原料とし、500mlの化粧箱入りで、アルコール度数は60度。希望小売価格は30,000円(税別)です。2008年に蒸留されたこのウイスキーは、シェリー樽の輸入が禁止される以前に使用された、世界的にも希少な樽で熟成されており、単一カスクでの15年熟成は江井ヶ嶋蒸留所史上最長となります。製造の過程では、長期熟成により失われるエンジェルズシェアのため、ボトリング本数は502本と限られた非常に貴重なウイスキーです。
もう一方の製品は「香掬オロロソシェリーカスク5年ピーテッド」。こちらは、フェノール値50ppmのヘビーピート麦芽を使用し、オロロソシェリー樽で5年間熟成したウイスキーです。アルコール度数は50度で、希望小売価格は8,500円(税別)です。シェリー樽熟成によって生まれる豊かな果実感と、ピートのスモーキーな風味が絶妙に調和した一品です。
江井ヶ嶋蒸留所の歴史
江井ヶ嶋蒸留所は、日本で数少ない老舗の蒸留所の一つとして知られています。1980年代の地ウイスキーブームの中で滴り続けている同社は、長年にわたって確かな技術と設備を保ち続けています。代表ブランドである「あかし」シリーズは、日本国内外で高い評価を得ており、2019年にはホワイトオーク蒸留所から社名を江井ヶ嶋蒸留所に変更しました。さらに、2022年からはブレンダーによるヴァッティングシリーズ「EIGASHIMA」を展開し、国際的なウイスキープロフェッショナルによる品評会でも数々の金賞を受賞するなど、その品質は高く評価されています。
まとめ
江井ヶ嶋酒造が新たに展開するウイスキー「香掬」は、そのブランド名の通り、樽の魅力を最大限に引き出したウイスキー造りを目指しています。酒類市場はさらなる拡大を見せる中で、この新ブランドがどのように成長し、消費者の期待に応えるのかに注目が集まります。興味がある方は、ぜひ発売日にお近くの酒販店やオンラインショップでお求めください。