顔認証とスマートロックがもたらす新たな働き方
清水建設株式会社が、株式会社ビットキーと協力して推進する新しい取り組みが注目を浴びています。このプロジェクトでは、顔認証技術とスマートロックを導入し、全国約550に及ぶ建設作業所へのオフィス環境の見える化を目指しています。清水建設はこの技術を使って、従業員の勤務場所での滞在時間を可視化し、労働環境を改善しようとしています。
新制度の導入背景
これまでも建設業界では労働時間を把握するために顔認証システムを活用してきましたが、短時間での撤去が必要な作業所では、導入コストが課題でした。しかし、2024年4月より建設業界に課される残業時間上限規制を受け、清水建設とビットキーは2022年にスマートロックと勤怠管理システムを統合した実証実験を行いました。その結果、携帯性の高いスマートロックの導入が決定され、全国約550の作業所に展開する運びとなったのです。
シンプルな運用で効率化
新システムの設置はとてもシンプルです。ビットキーのスマートロックと顔認証用タブレット端末が設置され、従業員は顔をかざすだけで入退室を行います。これにより、職場のコミュニケーションも活性化され、上司と部下の対話の機会が生まれます。入退室時刻は自動で勤怠管理システムに連携されるため、手間を省くことができ、業務の効率化が図れます。
導入の利点
1.
工事不要で即設置可能
スマートロックは両面テープで簡単に取り付けることができるため、作業所を移動する際の負担が軽くなります。従来の電子錠では工事が必要で、多くの時間と費用がかかっていました。
2.
確実な記録で客観性を確保
実証実験の結果、顔認証とスマートロックを組み合わせることで、従業員の負担を減らすことに成功しました。顔をかざす行為が必須で、入退室時刻の把握精度が向上しました。
3.
迅速なデータ反映で対話を促進
退勤後約1日で勤務のデータが整理され、上司と部下のコミュニケーションが図られやすくなります。
今後の展開
このシステムはすでに一部の支店にも導入が決まっており、清水建設本社や他の拠点でも先行導入が進められています。また、今後は「workhub」のさらなる機能拡張を考えており、無人受付システムの導入や会議室の予約管理を通じて、よりスムーズなオフィス環境の創出を目指しています。
このプロジェクトを通じて、清水建設は「働きがいと魅力にあふれる職場環境」を実現し、業界全体の労働環境を向上させることを目指しています。引き続き注目が集まります。