住友ベークライトが高性能フェノール樹脂材料を追加し製品戦略を強化

住友ベークライトが高耐熱フェノール樹脂成形材料を強化

住友ベークライト株式会社は、自社のフェノール樹脂成形材料「スミコン® PM-5700シリーズ」の製品ラインナップを拡充した。この新しいMaterialsは、高い摺動性と耐熱性を兼ね備えており、特に自動車業界のニーズに応えることを目的としている。

最近の自動車製造において、特に電動化の進展が見られ、同時に電動ポンプの軸受用途に最適な材料を求める声が高まっている。これに対し、住友ベークライトは革新技術をいち早く導入し、さらなる市場を開拓する狙いを持っている。

電動車両に向けた新たな挑戦

自動車に搭載される電動ポンプには、電動ウォーターポンプや電動オイルポンプなど、様々なデバイスがある。これらのコンポーネントは、冷却機能や運転効率を高めるために、耐久性やコストの最適化が求められている。それに伴い、自動車メーカーはより高い耐久性をもたらす新素材を模索している。従来の高価な素材であるPEEKやPTFEは製造過程において多くのCO2を排出するため、環境への影響が深刻な問題となっている。

住友ベークライトのPM-5700シリーズは、こうした需要に応える形で開発されたものであり、特にEWP向けに販売実績も獲得している。さらに新たに投入されたPM-5750モデルは、耐摩耗性や熱の影響を受けにくい設計が特長で、高負荷かつ高温環境下でも優れた変形率を保つ。

スミコン® PM-5700シリーズの特性

この「スミコン® PM-5700シリーズ」は、高耐熱のフェノール樹脂を基に、特殊な黒鉛を混練しており、高い摺動性を誇る。加えて、薄肉成形や偏肉成形が容易に行えるため、製品設計の自由度を高める優れた特性を持つ。これにより、自動車部品や他の機械部品への応用が期待されている。

さらに、摩擦による熱で樹脂が溶融し、部品同士がくっつく心配がなく、製造工程における効率性も向上する。一方、製造時のエネルギー消費量の低減も実現しており、環境負荷の軽減にも寄与している。

環境への配慮

近年、カーボンニュートラルや持続可能性が重視される中で、住友ベークライトのスミコン® PM-5700シリーズは焼結カーボンに比べて、製造時の炭素排出量を大幅に削減する可能性が高い。住友ベークライトの試算によれば、この製品のカーボンフットプリントは焼結カーボンの10分の1以下に抑えられることが期待されており、同社は2030年までにさらに環境負荷を低減する目標を掲げている。

住友ベークライトは、本製品の販売を通じて顧客のニーズを把握し、樹脂開発における強みを活かしつつ、今後も新しい素材の開発に注力していきたいと考えている。スミコン® PM-5700シリーズは、自動車産業の進化に寄与し、持続可能な未来を築くための重要な材料となるだろう。

お問い合わせ先

住友ベークライト株式会社材料ソリューション営業部ポリマー営業部
電話: 03-5462-4241
問い合わせフォームはこちらを利用することで、詳細情報を得ることができる。

このように、スミコン® PM-5700シリーズは近年の環境問題を意識した新技術の結晶であり、自動車業界の未来を支える重要な役割を果たす期待がかかっている。