「2024年問題」の現状
2024-07-04 13:06:23

「2024年問題」は運送業界にどう影響しているのか?給与減や退職検討も…900人アンケート調査結果

「2024年問題」は運送業界にどう影響しているのか?900人アンケート調査結果



2024年4月から施行された働き方改革関連法は、時間外労働の上限規制を設け、長時間労働が問題視されてきた運送業界にも大きな影響を与えています。本記事では、株式会社アシロが実施した「2024年問題」に関するアンケート調査結果を基に、運送業界における現状と課題を詳しく解説していきます。

2024年問題の認知度は高い!



まず、運送・輸送業関係者1,000人と一般人3,000人を対象に「2024年問題」の認知度を調査した結果、業界関係者の72.9%、一般人の60.4%が「知っている」と回答しました。これは、ニュースやSNSで話題に上がることが多いため、2024年問題の認知度が非常に高いことを示しています。

企業の対策は進むも、給与減少や労働時間短縮の影響も



次に、2024年問題を知っている運送・輸送業関係者400人を対象に、企業の対策状況や労働時間への影響について調査しました。その結果、半数以上の企業が何らかの対策を実施していることがわかりました。具体的には、ドライバーの拘束時間緩和策として、倉庫内での商品仕分けの順番変更、積み下ろしの予約システム導入、配送便数の削減などが挙げられます。

一方で、労働時間については、69.2%が「変わらない」と回答したものの、「減った」と回答した割合も23.8%にのぼりました。労働時間短縮は、企業側の対応によって進んでいるものの、現場では必ずしもポジティブな影響ばかりではないことがわかります。

また、給与に関しては、201人が「影響はない」と回答した一方で、85人が「給与が変わった」と回答しました。特に、残業代が減った影響で、給与が減少したケースが多く、そのうち57.6%の人が収入が減ったと回答しています。

退職・転職を考える人も…今後の課題は?



2024年問題がきっかけで、退職・転職を検討したことがあるか聞いたところ、79.2%が「ない」と回答しました。しかし、実際に退職・転職した人は3.5%、転職活動をしている人は5.8%おり、合計9.3%の人が転職を考えていることがわかりました。人手不足が深刻な運送業界では、人材流出は大きな課題となります。

現場の声:改善点と課題



アンケート調査では、現場のドライバーから様々な意見が寄せられました。中には、「勤務時間は緩和されたが、人手不足が起きているため、待遇改善が必要」「稼ぎたいのに残業規制が理解できない」「顧客の理解が低い」「働き方改革は仕方ないと思うが、給与が減るとモチベーションが下がる」といった声がありました。

一般消費者も配送遅延に寛容的な姿勢



一般消費者500人を対象に、配送遅延に関する意識調査を実施した結果、92.6%が「法改正によって配達が遅くなった実感は無い」と回答しました。また、配達遅延に対しては、44.0%が「余裕をもって注文するので困らない」、28.6%が「2~3日程度なら許容できる」など、寛容的な意見が多く見られました。

まとめ:課題解決に向けた取り組みが重要



今回の調査結果から、2024年問題によって運送業界では、給与減少や労働時間短縮など、現場に様々な影響が出ていることがわかりました。企業は、人手不足を解消し、ドライバーの働きがいを高めるための取り組みを進める必要があります。

政府も、労働時間規制だけでなく、運賃の適正化や待遇改善など、多角的な視点から支援策を検討し、運送業界の持続的な発展をサポートしていく必要があります。

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参考資料

6割弱が給料減?2024年問題について運送関係者含む900人にアンケートを実施!
https://roudou-pro.com/columns/659/



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