画期的なポンプ圧送速度制御システムの登場
大和ハウスグループに属する株式会社フジタが、山岳トンネルにおける覆工コンクリート施工の新たな効率化を実現するため、「ポンプ圧送速度制御システム」を開発しました。このシステムは、トンネル工事において圧力に応じてポンプ圧送速度を自動的に調整し、円滑な施工を可能にしています。これにより、施工作業の省力化が最大50%達成されることが確認されました。
システムが解決する課題
トンネルの施工において、通常はセントル(移動式型枠)を使用し、側壁に交互にコンクリートを打設しますが、左右のバランスを取るのが容易ではありません。片側にコンクリートが多くなると、圧力が過度にかかり、セントルの変形やズレが生じる危険性があります。
従来は、これらの判断は経験豊富な作業員の手によって行われていましたが、これでは安定性や安全性に限界がありました。加えて、圧力の上昇時には自動打設が緊急停止されることもあり、この手動操作が自動化の利点を台無しにしていました。
システムの特長
新たに開発されたこのシステムは、リアルタイムでセントルにかかる圧力を監視し、圧力ウォッチャー®と呼ばれる技術を活用して圧力を制御します。また、トンネルの自動打設装置を搭載したスライドセントルを組み合わせることで、圧力が高まっても施工を中断することなく、連続打設が可能になります。これによって、圧力の監視とポンプ操作を作業員が担う必要がなくなり、効率的に作業を進めることができます。
省力化の実績
同システムを導入することで、従来は6人編成で行っていた覆工作業が、4人編成、さらには3人編成にまで減少可能です。このため、労働力の効率化が実現し、工期の短縮が期待されます。また、施工作業の自動化促進により、作業の標準化や品質の一貫性向上にも貢献すると考えられています。
今後の展望
株式会社フジタは、今後も施工の自動化を推進し、覆工コンクリートの完全自動打設を目指していく方針を掲げています。自社のトンネル工事現場での技術活用を進めながら、新たな技術開発にも取り組んでいく予定です。
工事概要
この新技術が活用されている「広島呉道路 呉トンネル工事」は、広島県呉市で進行中であり、工事延長は総延長3,249m、トンネル延長は2,376mです。発注者は西日本高速道路株式会社中国支社で、実績ある株式会社フジタが施工を担当しています。今後もこのプロジェクトを通じて、トンネル施工における新しい幕開けが期待されています。