地震に強い住宅を実現する新技術
住友理工株式会社は、このたび国土交通大臣の認定を受けた新製品「高耐力制震システム」をお披露目しました。このシステムは、地震に強い住宅を提供するために、20年以上の研究開発から生まれたものであり、業界でもトップレベルの性能を誇ります。
高耐力制震システムの特徴
新たに開発された「高耐力制震システム」は、以下の二つの特長を持つ高性能摩擦材料を利用しています。第一のポイントは、その温度依存性が極めて低いことです。これにより、0℃から40℃の広範な温度範囲においても一貫して高い性能を発揮します。したがって、使われる地域や環境に関係なく、安心して使用できることが大きな魅力です。
第二の特長は、速度依存性が少ないことです。つまり、地震による衝撃の速度にかかわらず、安定した性能を維持します。この機能により、直下型地震のように短時間で強い揺れが来る場合や、逆に海溝型地震のように長時間にわたって強い揺れが続く場合でも、しっかりと対応できるという特徴があります。これこそが地震対策において非常に価値のあるポイントです。
また、住友理工の技術により、業界トップクラスの「壁倍率5.0倍」を実現し、より優れた制震機能も実現しました。一般販売は2026年の秋を予定しており、特に在来軸組工法の住宅での導入を目指しています。
実績と科学的根拠
住友理工は、2009年から木造住宅用のTRCダンパーを販売しており、これまでに70,000棟以上の住宅にその技術が取り入れられています。2024年1月に起こった令和6年能登半島地震の際には、同社のTRCダンパーが導入された1,035棟の住宅の中で、全壊や半壊となった事例は確認されませんでした。この実績は、住友理工の技術がいかに信頼できるものであるかを証明しています。
今年3月に内閣府が発表した「南海トラフ地震の新しい被害想定と実施すべき防災対策」では、強力な地震や津波が発生した場合の甚大な被害が予想されています。これを受け、本製品のような先進的な防災対策の重要性が一層認識されています。
環境への配慮と今後の展望
また環境面でも、2025年の建築基準法の改定にともない、持続可能な社会に向けたアプローチが重要になっています。ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)の普及が進む中で、太陽光発電装置や断熱材の使用が増え、建物の総重量が増大しつつあります。これにより、制震システムの耐力性のさらなる向上が求められているのです。
住友理工は、「2029年住友理工グループVision」において、社会課題の解決に向けたソリューションを提供するリーディングカンパニーを目指しています。自然災害に立ち向かうための技術力をより一層進化させて、安心 safe を重視した社会に貢献していく所存です。
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