自動運転トラックの未来を切り開く実証プロジェクト
自動運転技術の発展は進んでおり、トラックの運行管理が大きく変わる可能性を秘めています。2023年10月、豊田通商株式会社をはじめとする4社は、経済産業省や国土交通省が主導する自動運転レベル4の実社会導入を目指したプロジェクトの一環として、新東名高速道路で走行実証を開始しました。この取り組みは、商用車メーカーと物流業界が一体となって約2026年度以降の自動運転トラックの社会実装を図るものです。
背景と目的
現在、ドライバー不足という深刻な社会問題に直面しており、それを解決するためには自動運転技術の導入が急務です。プロジェクトに参加している企業は、商用車メーカーと密に連携し、高速道路の物流施設やサービスエリアを利用した無人走行の実現を目指しています。これまで、実際の運行を反映したさまざまな検証が行われており、段階的に自動運転技術を現実のものとしてきました。
たとえば、昨年度には新東名高速道路の一部区間で、自動発着機能や緊急停止能力、先読み情報支援を活用した非接触的な操作のテストが行われました。これらの取り組みを通じて、実環境での効果を確保し、将来的な自動運転トラックの運用に向けた基礎を築いてきました。
総合走行実証の実施内容
今回の総合走行実証は、2023年から始まり2025年12月までの期間を予定し、様々な形式の自動運転を所定のコースで行います。この実証では、自動運転サービス支援道を通じて、レベル4の期待される走行を実現し、さまざまな条件下での実行性を評価します。具体的には、新御殿場ICから岡崎SAにかけての区間において、以下のような機能が実証されます。
1. 自動走行トラックの運行と主道路での走行支援
2. 自動合流機能による発着の効率化
3. 先読み情報を元にした自動車線変更と速度調整
4. 異常対応を含む運行監視機能の実施
これにより、クルマの先端技術を一連の流れで検証することができます。このように自動運転トラックの一連の機能を実装することで、より高い効率性と安全性を確保し、現実の物流システムでの運用へとつなげていくのです。
今後の展望
今後、この走行実証から得られる知見は、テーマ3事業の成果として「高速道路でのレベル4自動運転トラック導入の手引き」と「自動運転トラック活用ガイドブック」にまとめられる予定です。これにより、インフラ整備者や自動運転車両提供者、物流関連企業への指針が提供され、実際の商業利用を進める一助となるでしょう。
各社の役割
このプロジェクトには、様々な企業が関与しており、豊田通商がプロジェクト全体の管理を担っているほか、先進モビリティは車両システムの開発と評価を担当しています。また、物流システムの有用性を検討するためにみずほリサーチ&テクノロジーズが参加し、各商用車メーカーは運行条件の整理や実証計画を策定しています。
これらの活動は、自動運転技術が物流業界に新たな息吹をもたらすことを期待させるものです。これからの自動運転トラックの発展に、私たちの目がますます注がれています。