水産業界における新たな時代の幕開け
株式会社クラハシは、水産物総合卸売商社としての使命を強く意識しながら、、水産業界が抱える効率化の課題に取り組んでいます。2025年9月17日、広島県福山市で、株式会社OMITおよび山陽石油株式会社と手を組み、AI技術の導入を通じた業務効率化の新たな取り組みを本格的にスタートさせました。このプロジェクトは単なる業務の自動化や人員の削減を目的とするものではなく、地域企業の協力を通じて、人に優しい効率化を実現し、人々の生活の質を向上させることを重視しています。
背景:水産業界の抱える課題
日本の水産業は、長らくデジタル化の遅れが指摘され、特にAIの活用に関しては他の業界に比べて進展が見られません。また、慢性的な人手不足や人口減少に悩まされており、この状況の打開が急務です。そこでクラハシは『餅は餅屋』の考え方を重視し、各分野の専門性を生かしながら、効率化を進めています。
クラハシが目指すのは、既存の流通や市場機能を大事にしながら、水産流通を「食のお台所」として進化させることです。創業以来のスローガン『海と人を想う』を基に、海や魚、地域の皆さんの健康と幸せを守りたいという強い願いを持っています。AI技術を単なる労働力の代替としてではなく、人を支える道具として受け入れ、水産業の将来を切り拓く方針です。
AI導入の意義と目指す未来
今回の取り組みでは、業務の効率化のみにとどまらず、水産業が持つ社会的役割を未来に継承することが重要です。AI技術を導入し、業務効率の向上と透明性を高めることで、社員がより価値のある活動に集中できる環境を整えることが目標です。「内に和、外に信頼」というクラハシの理念を実現し、地域経済や食文化の持続可能な発展にも貢献していきます。
削減したコストは、社員への還元や新規事業への投資に活用する方針です。クラハシにとって人材は最も大切な資産であり、AIを積極的に利用し「人を守るための支援ツール」として活用します。
3社が手を組む水産業の未来
この新たな取り組みにおいて、3社それぞれが重要な役割を果たします。
株式会社OMITの役割
OMITはAI技術を駆使し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援します。彼らの「AIセンパイ」サービスを利用し、業務の負担を軽減し、社員がよりクリエイティブな仕事に専念できる環境を創出します。
山陽石油株式会社の役割
山陽石油は地域に根ざしたインフラと情報発信力を活かし、今回の連携で得られるリソースを福山市全体に展開し、「人を守る効率化」のモデルケースを広める手助けを行います。
これからの展望
クラハシは、定型業務のデータをAIに学習させることで、業務の指示、分析、アドバイス、そして代替作業が可能になる環境の構築を進行中です。請求書処理や受発注業務、ミーティング議事録作成など、社員の負担を軽減することで、より価値の高い業務に注力できる未来を描いています。
今後の展開としては、OMITや山陽石油との協業を通じて、セキュリティを考慮したAIサーバー環境の整備を進め、更なる業務効率化を目指します。また、基幹システムの見直しや取引先との連携も強化し、実効性あるDX推進を進めていく所存です。
このように、クラハシの挑戦は水産業界に新たな息吹を吹き込み、地域社会にとっても希望の光となることを目指しています。