エリクソンとソフトバンクがAI-RAN共同研究を開始
エリクソンとソフトバンクが新たな取り組みを開始しました。それは、AI技術と無線アクセスネットワーク(RAN)を同一のインフラ上で最大限に活用し、ネットワークの効率化と性能向上を目指すというものです。この共同検討は、通信事業者が新しいユースケースを創出する手助けをすることを目的としています。
両社は、技術経済性分析(TEA)やプロトタイプの開発、ラボでの実証実験を通じて、エッジにおけるAIとRANの統合の最適化に取り組みます。さらに、ハードウェアの区画化や負荷分散、異なるハードウェアプラットフォーム間でのソフトウェアの可搬性も評価する予定です。
重点分野の取り組み
この共同研究における具体的な重点領域には、次の3つが含まれます。
1. AIとRANの統合の最適化
AIとRANがエッジで協働するためのアーキテクチャーを最適化することがこの分野の目標です。特に、C-RAN(Centralized-RAN、集中型無線アクセスネットワーク)に焦点を当て、AIとRANの処理における利点と課題を両社で評価します。
2. AIとRANの共存
AIアプリケーションとRANアプリケーション間でのハードウェア及びワークロードの共有をうまく管理していくことも重要な取り組みです。これにより、リソースの最適利用を図ることができます。
3. エンジニアリングデモ
同じハードウェア上でRANアプリケーションおよびAIエンジンを動作させるテストを行い、リソースの効果的な共有方法を確認します。
企業の期待とビジョン
エリクソンの上席副社長であるフレドリック・イェドリング氏は、「この取り組みは、AIとRANインフラを融合する新たな可能性を探る重要なステップだ」と述べています。また、「通信事業者がオープンで効率的かつ汎用性の高いネットワークを構築するために貢献することを信じています」と続けています。
一方、ソフトバンクのCTOである佃英幸氏も、「エリクソンとの共同研究を通じて、RANの重畳と効率化を支えるAIインフラへの投資を進めていく」と述べており、AIを利用した通信ネットワークの強化への期待感を示しています。
国際的な連携
両社は、バルセロナで開催されるMWCバルセロナ2024で発表されたAI-RANアライアンスの設立メンバーでもあります。このアライアンスは、RAN技術やモバイルネットワークの進化を目指し、AIの活用に向けた共同の取り組みを行います。
この新たな提携は、双方の技術的な強みを駆使し、グローバルな通信インフラの未来を切り開く鍵となることでしょう。これからの進展に注目が集まります。