手話カフェ、文化の架け橋
山梨県立美術館内にあるカフェ&レストラン「COLERE(コレル)」が、2025年9月21日(日)に特別なイベント「手話カフェ」を開催します。このイベントは、聴覚障害のあるスタッフが運営し、手話を学ぶ初めての機会を提供することを目的としています。手話の普及を促進し、聴覚障害者と健常者の理解を深める場として、大きな意義を持つ取り組みです。
聴覚障害者の力を活かした運営
KEIPE株式会社が運営するコレルでは、11名のスタッフのうち9名が障害を持つ方々で構成されており、表方と裏方においてそのスキルを発揮しています。知的障害、身体障害、精神障害を持つスタッフが協力し合い、健常者と共にレストランを支えています。このユニバーサルな環境は「誰もが働くことができる」という理念を具現化しており、全ての人々に開かれた場所です。
山梨県が抱える課題
現在、山梨県内にはおよそ2,400人の聴覚障害者がいますが、手話通訳士はわずか32人しかおらず、手話が必要な方々にとっての情報の壁が存在します。この状況を打破するべく、手話カフェは「手話言語条例」の下で手話の存在感を高め、利用しやすい環境を整えることを目指しています。
手話カフェの詳細
手話カフェでは、ビギナー向けの1DAY手話教室が行われます。参加者はドリンクとともに、基本的な手話のフレーズを楽しく学ぶことができます。例えば、自己紹介や簡単なあいさつ(ありがとう、こんにちは)などが含まれており、手話を楽しみながら学ぶことが出来ます。
- - 日時: 2025年9月21日(日)10時~11時半
- - 会場: 山梨県立美術館内ユニバーサルカフェ&レストランCOLERE(コレル)
- - 参加費: 2,000円(フレンチトーストプレート・ドリンク付き)
- - 参加定員: 12名(手話未経験者歓迎)
参加方法は電話(055-236-9370)またはコレルの公式Instagram(@colere_yamanashi)へのDMで受付けています。
企画者の思い
手話カフェは、バリスタでホールスタッフの大久保洋文さんが中心となって企画しました。彼は「多くの方に手話を身近に感じてほしい」との願いを込めてこのイベントの実現に向けて動いています。手話言語条例を知る機会として、また手話の楽しみを広める場として、手話カフェが重要な役割を果たすことを期待しているそうです。
全国初の「やまなし手話言語の日」
山梨県では2023年に「山梨県手話言語条例」が施行され、特に9月23日が「やまなし手話言語の日」と定められました。この条例は、手話の普及と理解を促進するために全国で初めて制定されたもので、この日を通じて皆が手話に興味を持ち、理解を深めることを目指しています。
手話カフェは、すべての人々にとっての壁を取り払い、共に楽しむことができる大切な文化を育むイベントです。
COLERE(コレル)の紹介
コレルは山梨県立美術館内に位置し、地域の食材を使用した料理を提供するユニバーサルカフェ&レストランです。営業時間は午前10時から午後5時までで、月曜日が定休日です。大人数でも入れる50席を用意しており、美術館を訪れる方以外も楽しめる場所です。
最後に、KEIPE株式会社は、障害を持つ人々と地域が共に共存できる社会の実現を目指し、様々な事業を展開している社会的企業です。彼らの取り組みは、きっと地域全体に良い影響を及ぼすことでしょう。手話カフェを通じて、少しでも多くの人に手話が身近に感じられ、一緒に楽しむ機会が増えることを願っています。