鈴木財務大臣、新紙幣発行とデジタル通貨への展望語る - キャッシュレス化進む中、紙幣の役割は?

新紙幣発行とデジタル通貨への展望 - 鈴木財務大臣が語る



令和6年7月3日から発行開始される新日本銀行券について、鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣は閣議後記者会見で、偽造防止対策やユニバーサルデザインの導入などを説明しました。キャッシュレス化が進む中、新紙幣の意義や経済効果、そしてデジタル通貨導入に向けた展望について、大臣は次のように語りました。

新紙幣発行の意義と経済効果

鈴木大臣は、キャッシュレス化が進む一方で、紙幣は依然として主要な支払い手段であり、災害時やキャッシュレス決済が困難な方にとって重要な役割を果たしていると強調しました。新紙幣は、偽造防止機能を強化することで、経済的損失や社会的混乱を防ぎ、国民の安心安全を確保する役割を担うと説明しました。経済効果については具体的な試算は行っていないものの、偽造対策による経済的損失防止は重要な側面であると述べています。

デジタル通貨導入に向けた展望

デジタル通貨導入については、日本銀行で試験的な検討が進んでいることを認識しており、現時点では具体的な計画は未定であると説明しました。大臣は、紙幣は依然として主流の決済手段であり、災害時などの決済手段としての必要性も高いと指摘。特に高齢者層など、紙幣に慣れ親しんだ世代への配慮も必要だと強調しました。

新紙幣への対応と補助金

新紙幣導入に伴う民間事業者の負担について、鈴木大臣は、偽造防止による経済的損失防止というメリットを理解していただくよう呼びかけました。また、新紙幣導入に向けた準備期間は5年間と十分に時間を確保してきたことを説明。金融機関のATMや自動釣銭機など、多くの機械は対応済みですが、飲料自動販売機など一部では対応が遅れている状況も認め、順次更新していく必要があると述べています。政府としては、過去の改刷と同様に、改刷対応を目的とする補助金等は予定していないとのことです。

為替の動向について

円安進行について、鈴木大臣は従来の方針として、個別の為替動向にはコメントしない立場を表明しました。為替は様々な要因によって決定される複雑な問題であり、市場の動向を注意深く見守っていく必要があると強調しています。

口先介入の効果について

市場では、鈴木大臣による口先介入の効果が薄れているとの声も出ていますが、大臣は、質問に対して自身の立場を説明しているだけであり、口先介入を意図しているわけではないと説明。その効果や影響についてはコメントを控えました。

今回の記者会見では、キャッシュレス化が進む中で紙幣の役割が改めて注目され、デジタル通貨導入に向けた今後の動向が注目されます。鈴木大臣の発言は、政府の金融政策の方向性や今後の展望を理解する上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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