株式会社サトー、液体専用RFIDタグを開発
株式会社サトーは、この度、液体入りのガラスボトル特有の管理課題を解決するためのRFIDタグを開発しました。2024年11月から顧客への提案を開始し、物流業務の効率化を支援することを目指しています。
この新しいRFIDタグは、特にワイン業界を念頭に置いて設計されており、比誘電率が高いガラスやゴム製のボトルにも簡単に貼り付けられます。水分の影響を受けにくい特殊な素材が使われており、高湿度の環境でも優れた読み取り精度を保持できます。例えば、ワインセラーで1ヶ月が経過した後でも99%以上の精度で読み取ることが可能です。
開発の背景
日本国内では最近、ワインの取り扱いが増えています。飲食店や高級ホテルだけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでもワインが販売されるようになり、流通過程での在庫管理の重要性が高まっています。しかし、従来のRFIDタグは液体が電波を吸収してしまうため、ボトルの在庫確認や棚卸が非常に手間でした。
この課題を解決するために、サトーは2023年に新たなRFIDタグの開発に着手しました。ワインを扱う企業からのフィードバックを受け、実用性の高いソリューションとして評価されています。
特徴と利点
このRFIDタグの特筆すべき点は、目立たずスリムなデザインであることと、異なる面からの読み取りができるところです。通常のRFIDタグがボトル後ろのラベルに依存するのに対し、サトーのRFIDタグはボトルの底面やキャップからもデータを取得可能です。
また、実際の使用を考慮し、サイズは76mm×20mmと、ワインラベルに影響を与えないコンパクトな設計です。現場で求められる高い機能を維持しつつ、使いやすさを徹底しています。
展示と普及
このRFIDタグは、2023年9月11日から13日まで東京ビッグサイトにおいて開催される「第26回自動認識総合展」で展示される予定です。イベントに出席する多くの業界関係者とともに、ワイン流通を革新する新たなソリューションとしての注目が集まりそうです。
会社概要
株式会社サトーは、1940年に設立された企業で、東京都港区に本社があります。自動認識技術を駆使し、90ヵ国以上で事業展開を行っており、リアル世界の情報化に力を入れています。
グループ全体では年商1400億円を誇り、RFIDやバーコードを用いた様々な業務効率化のソリューションを提供しています。サトーは、これからも自動認識技術を通じて社会に貢献していく方針です。