新しい歯科医療の形、移動型クリニック
2026年2月25日、大阪府堺市にてオーガイホールディングスが主導し、堺市およびタマノイ酢株式会社の協力を得て行われた実証実験が話題を集めています。テーマは、「企業・市民健診」としての新しい歯科検診のモデル確立。このプロジェクトの中核をなすのは、医療MaaS車両「O-Gai」です。
進行中の「歯科検診の空白」
実データによると、日本では約4割の人々が定期的な歯科検診を受けていない現状があります。特に30代以上では、なんと約66%の人々が歯周病の兆候を抱えていることが判明。歯科疾患を放置することは、将来的に医療費を1.7倍に増大させ、さらには糖尿病や誤嚥性肺炎など深刻な全身疾患のリスクとも関連するとされています。そこで、オーガイは自社の移動型クリニックを通じて、この社会的課題にアプローチ。地域住民や企業に対して、手軽に検診を受ける機会を提供することを目指しました。
実証実験の詳細
この日は午前中から堺市役所で市職員向けの検診が行われ、午後はザビエル公園でタマノイ酢の社員や一般市民向けの検診が実施されました。O-Gai車両内では、口腔内スキャンを用いたデジタル診断が行われ、歯周病や虫歯の簡易診断が可能となりました。このオールインワンの設計によって、それまでの検診の常識が覆されることとなりました。
午前の検診
午前中の堺市役所では、デジタルスキャンを通じて職員が短時間で口腔内の健康状態を確認。従来の歯科医院での待機時間や移動時間の短縮が実現され、受診のハードルを大きく下げる結果となりました。
午後の検診
午後はザビエル公園で実施されましたが、受診者たちは移動型クリニックの利便性を高く評価。「仕事の合間に受診できるのは非常にありがたい」「短時間で済むので、効率的に時間を使える」といった感想が多数寄せられました。口腔内の健康状態がその場で可視化されることで、受診者の意識が変わったという声もありました。心理的な障壁を感じることなく、歯科医療にアクセスできる新たな形の受診に対して好意的な反応が続出したのです。
オーガイホールディングスの目指すもの
オーガイの代表取締役である野田真一氏は、「受診の壁を打破するために、医療MaaS『O-Gai』を通じて人々の近くに自ら赴く必要がある」と強調しました。今回の実証実験は、働きながらも受診の機会を持つ新たなモデルの有効性を証明したと言えるでしょう。また、タマノイ酢の代表取締役社長、播野貴也氏も、地域社会への貢献を重視し、今後の展望について期待感を述べています。
今後の展望
今回の成功を受けて、オーガイは医療MaaS「O-Gai」をさらに全国へ展開。平常時には企業検診や地域連携による予防医療を推進し、有事には緊急医療のインフラとして機能するシステムを構築することを計画しています。
新たな評価手法や画期的な医療プラットフォームとして進化するO-Gaiに、今後も注目が集まることでしょう。これからも地域密着型の医療を実現し、皆に良質な歯科医療を届ける未来が待たれています。