IR資料に関する翻訳業務の増加とAI翻訳への期待
企業のIR(投資家向け情報)資料において、日英同時開示が2025年4月から義務化される中、翻訳業務の負担が大幅に増加しています。八楽株式会社が実施した調査では、多くの上場企業のIR担当者が業務の負担増を実感していることが明らかになりました。
調査結果の背景
調査によると、IR資料の翻訳業務が「かなり増えた」または「多少増えた」と回答した企業は52%に達しました。一方で「変わらない」との回答は48%にとどまり、業務の圧力は増していることが浮かび上がります。この状況はIR業務を担当する現場において特に顕著であり、同時開示に対する準備が企業のリソースに重くのしかかっていることを示唆しています。
AI翻訳への関心
興味深いのは、AI翻訳システムの利用状況です。調査によると、自動翻訳ツールを主要な手段としている企業はわずか8%に過ぎません。しかし、全体の96%の企業がAI翻訳に「興味を持っている」または「導入を検討している」と回答しており、AI翻訳システムの導入が進んでいない現状にも関わらず、高い関心が寄せられていることが浮かび上がります。
このことから、企業はAI翻訳に対して期待を寄せていますが、導入が難航している現状が反映されています。多くの企業が翻訳の「品質」や「コスト」、そして「スピード」が課題として挙げられ、「翻訳は単なるコスト」として捉えるのではなく、価値を正しく伝えるための戦略的な要素として捉える必要性が強調されています。
人力翻訳との協働
実際、企業の翻訳体制においては「人力翻訳」が主流であり、AIツールの導入がまだ定着していない状況です。今回の調査結果を受けて、企業はAIと人間の協働を模索し、業務設計の見直しを進める必要があります。八楽の翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」は、翻訳メモリや用語集、レビュー支援機能を用いて、企業ごとの業務フローに最適化した運用を可能にします。
このようなツールを導入することで、企業は限られたリソースを本来の経営判断や成長戦略に集中させることができると考えられています。
八楽の目指す未来
八楽株式会社は、IR資料の翻訳を通じて、正確な情報伝達が行われる社会を目指しています。IR分野における翻訳の重要性を考慮し、企業の成長と対外発信をサポートすることに重きを置いています。
また、八楽代表の坂西優は2025年6月25日に開催される矢野経済研究所主催のセミナーに登壇し、最新の取り組みや技術を交えた実践的な解決策についての情報を提供する予定です。このセミナーにおいては、IR資料の多言語開示の現状と展望についての議論が行われるため、興味のある方はぜひ参加されることをおすすめします。
まとめ
翻訳業務の現場における負担の増加や、AI翻訳に対する関心の高さを受け、企業はこれまで以上に適切な翻訳体制の整備を進める必要があります。八楽の提供するツールやサービスは、こうしたニーズに応えるものであり、業務そのものの見直しや翻訳の新たな価値を創造する手助けとなるでしょう。