思春期世代の非交流型居場所ニーズ調査報告
近年、思春期世代を対象にした調査が増えていますが、その中でも特に注目を集めているのが認定NPO法人3keysによる「中高生世代における『非交流型』居場所のニーズ調査」です。本調査は、全国の13歳から18歳の中高生約4,000人を対象に実施され、こども家庭庁の「こどもの居場所部会」でも参考資料として取り上げられました。この調査の結果、多くの中高生が求める居場所の多様性が浮き彫りになりました。
調査結果の概要
本調査の結果、以下のようなポイントが明らかになっています。
1. 非交流重視のグループの存在
思春期世代の約3分の1、つまり33.0%の中高生が「非交流重視グループ」に分類されました。このグループでは、「一人で静かに過ごしたい」といったニーズが高く、知っている人に会いたくないという声が多数寄せられています。これは、従来の交流型の居場所に対するニーズとは大きく異なるものです。
2. 相談しない傾向の強いグループ
非交流重視グループの子どもたちは、他のグループに比べて、困難な状況に陥った際に「誰にも相談しない」と回答する割合が約2倍になることが分かりました。この結果は、中高生の支援において、最も必要とされる層に届いていないことを示唆しています。
3. 求められる支援の形
調査結果から、9割近くの中高生が生活に必要なインフラ、例えばWi-Fiやスマートフォンの充電場所、さらには休息できる場所の重要性を強調しています。また、一人の時間が保障されつつ、悩み相談や学習支援を受けたいというニーズも高まっています。これらの要望は、今の時代における新たな居場所のあり方を形成する重要な要素です。
変わりゆく中高生の環境
中高生を取り巻く環境は急速に変化しており、孤立感や対人不安が深刻化しています。そのため、居場所づくりが進められていますが、従来の「誰かと交流する」ことが前提の場が必ずしも適切とは限りません。思春期の子どもたちは、自分だけの時間とプライバシーを重視しており、これが心理的なハードルになることもあります。
この調査を通じて、非交流型の居場所の必要性に初めて目を向け、彼らが求めるものを理解し、適切に支援するための新たなアプローチを模索していくことが求められています。
セミナーの告知
本調査の結果を受けて、今後の子どもたちの居場所のあり方に関する議論の場として「第28回Child Issue Seminar」を開催いたします。
- - テーマ: 「つながりの過剰」と「ひとりの安心」
- - 日時: 2026年3月2日(月)14:00〜17:30
- - 会場: 日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール(大ホール)
- - 参加費: 会場参加 無料 / アーカイブ動画視聴 1,000円
このセミナーでは、基調講演や中高生のアンケート結果の報告、非交流型居場所の実践報告が行われる予定です。興味のある方はぜひご参加ください。
認定NPO法人3keysの活動
認定NPO法人3keysは、どんな環境で育った子どもにも必要な社会資源が行き届く社会を目指して、様々な活動を展開しています。例えば、児童養護施設で暮らす子どもに対する学習支援や、10代向けの支援サービス検索サイト「Mex」の運営などを行っています。彼らの活動を通じて、秘匿性やひとり志向が強い子どもたちの居場所に関する問題に取り組んでいます。この調査結果とともに、新たな居場所のあり方を社会に求めていくことが今後の課題です。