KIIが次世代CAR配列技術のスタートアップに出資
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)が、愛媛大学から派生したスタートアップ企業であるオプティアム・バイオテクノロジーズに出資したとの発表がありました。この出資により、オプティアム・バイオテクノロジーズは13.3億円の資金を調達することとなり、それを基にリードプログラム(OPTF01)の開発と基盤技術の改良に向けた取り組みを加速させます。
オプティアム・バイオテクノロジーズのビジョン
オプティアム・バイオテクノロジーズは、癌細胞治療に特化した新しいCAR配列を作成するための基盤技術「Eumbody System」を展開しています。これまでのCAR-T細胞療法には、T細胞の機能と持続性に課題があり、多くの固形腫瘍へのアプローチも困難でした。同社は、このEumbody Systemを利用することで、既存の課題を克服し、より革新的な治療成果を固形腫瘍患者に提供することを目指しています。
特に今回の資金は、OPTF01(FAPaCAR-T細胞)というプログラムの米国IND取得に向けた製造開発や非臨床試験を進めるために必須であるとされています。また、この資金を使ってEumbody Systemのさらなる改良や開発も計画されています。これにより、がん治療の選択肢が広がることが期待されています。
KIIの目的と意義
慶應イノベーション・イニシアティブは、大学の研究成果を活用したスタートアップの育成を目的に2015年に設立されました。その後、医療や健康に関連する課題解決に向けて連携を強化し、アカデミアの研究成果が実社会で活かされることを重視しております。特に、「KII3号インパクトファンド」では、資金調達だけでなく、社会的インパクトを意識した投資活動を進めています。これにより、企業の成長だけでなく、より広義な社会貢献を果たすことを目指しているのです。
結論
このように、KIIからの出資によりオプティアム・バイオテクノロジーズは急速に成長し、次世代のがん治療技術を発展させるチャンスを得ました。双方の目標が一致することで、新しい治療法が実現されれば、がん患者にとって明るい未来が開かれることでしょう。今後の進展に注目です。