高精度電流センスアンプ
2025-03-25 09:26:26

ロームから登場!新たな高精度電流センスアンプの魅力

近年、電動車両の普及に伴い、自動車の電源システムはますます複雑化しています。その中で、電流の精密な測定が不可欠となっており、特にローム株式会社が新たに発表した高精度電流センスアンプ「BD1423xFVJ-C」と「BD1422xG-C」は注目を集めています。これらの製品は、車載信頼性規格AEC-Q100に準拠し、難しい環境でも高い耐久性を発揮します。

まず、「BD1423xFVJ-C」について見ていきましょう。これはTSSOP-B8Jパッケージに収められた製品で、最大80Vの入力電圧に対応しています。主に48V電源で動作するDC-DCコンバータや補機バッテリーに適した設計がなされており、高電圧環境においても安定した性能を発揮します。このモデルは、ゲインの異なる三つのバリエーション(BD14230FVJ-C、BD14231FVJ-C、BD14232FVJ-C)が用意されており、必要な仕様に応じて選択可能です。

続けて、BD1422xG-Cを紹介します。このコンパクトなSSOP6パッケージのモデルは、最大40Vの電圧入力をサポートしています。車載機器のボディやドライブ系ドメインで使用される5V/12V駆動の電源系統における電流監視や過電流検出を行うのに理想的な設計です。このモデルにも三つの異なるゲイン設定があり(BD14220G-C、BD14221G-C、BD14222G-C)、特定のアプリケーションに応じた選択が可能です。

これらの電流センスアンプの基本的な動作は、シャント抵抗器を利用して電流を測定することにあります。シャント抵抗器によって生じる微小な電圧降下が増幅され、測定可能な電圧信号に変換される仕組みです。最近の新製品は、従来のオペアンプとディスクリート部品を組み合わせた設計によって、スペースの節約を図りつつ、簡単に電流を検出できるようになっています。また、入力段にはチョッパーアンプを、後段にはオートゼロアンプが採用されており、ゲイン精度を高めています。このことにより、温度変化による影響を最小限に抑えながら、±1%の高精度な電流測定を実現しています。

ノイズ対策についても考慮されており、RCフィルタ回路を外付けした場合でも電流検出精度が維持されるため、設計の手間を大幅に削減できます。こうした機能は特に電動車両や様々な車載アプリケーションにおいて、安定性と信頼性を向上させる要素となります。

新製品は2025年2月から量産が開始される予定で、初期の生産体制として月に10万個を供給する計画です。生産が行われるのは、ローム浜松株式会社をはじめ、タイやフィリピンの拠点でも行われるため、供給の安定性が期待されます。また、インターネット販売も積極的に行われ、各種オンライン商社を通じて簡単に購入できる環境が整います。評価用ボードも用意されており、製品の性能をすぐに評価できる点も魅力です。

今後、ローム株式会社はこの新しい電流センスアンプを通じて、車載機器の高精度化や信頼性向上に貢献し、市場の多様なニーズに応え続けることを目指しています。


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会社情報

会社名
ローム株式会社
住所
京都府京都市右京区西院溝崎町21
電話番号
075-311-2121

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