日販アイ・ピー・エスと北京書錦縁の20年の歩み
日販グループの一員、日販アイ・ピー・エス株式会社が運営する子会社の北京書錦縁諮詢有限公司が、2024年11月30日に設立20周年を迎えることを発表しました。この20年間で、北京書錦縁は日本の出版物の中国市場への進出を支え、その成果は顕著です。
設立の背景
2004年に設立された北京書錦縁は、「書を以て日中の縁をつなげる」という理念のもと、日本の出版社が持つ版権を中国に広げることを目指してスタートしました。日本の著作物を中国市場に紹介するため、中国の出版社である北京書中縁図書有限公司との合弁企業として設立されています。これにより、日本のコンテンツが中国の読者に届けられる架け橋となったのです。
成果と実績
この20年間にわたり、北京書錦縁は、日本国内の100社以上の出版社と手を結び、約1,650タイトルの日本語書籍を中国語(簡体字)版として出版。総発行部数は2,000万部に達しました。その内容は、児童書や小説にとどまらず、さまざまなジャンルにも広がっています。
例如、教育関連ではくもん出版の『Amazing MAZES』を2013年に発売し、現在では24版目を迎えています。また、主婦と生活社のコミックエッセイ『ひとり暮らしな日々。』や、日販アイ・ピー・エスの動物関連出版物『猫の本 世界の猫42種類』など、幅広いジャンルの書籍が多くの読者に支持されています。
今後の展望
20周年を迎えるにあたり、北京書錦縁は新たな挑戦に乗り出します。特に、幼児向けドリルや高学年児童向け読み物に加え、科学書籍や一般実用書の分野にも力を入れていく予定です。中国での生活様式の変化を受けて、健康やペット、本格的な心理学に関する書籍も翻訳し、提供する多様性を増すことを目指しています。
さらに、中国やその他の海外出版社からの版権仲介のニーズが高まっていることから、今後はジャンルを問わず日本の版権仲介を行う予定です。これにより、より多くの日本の優れた書籍を世界へ届けることで、国際的な文化交流を促進できると期待されています。
まとめ
北京書錦縁の創立20周年は、これまでの出版社様や読者の支えに感謝する良い機会です。今後も日本の書籍が持つ質を維持しつつ、さらなる広がりを持たせて、日中の文化の架け橋となることを目指しています。代表の丸田和彦氏は、今後のビジョンについて「良書で結ぶご縁と絆を強める契機にしたいと思います」と述べています。
日販アイ・ピー・エスは、今後も日本の出版文化の拡充とその普及に努めることで、さらなる成功を収めていくでしょう。