海の未来を考える「ざわザワ高校」第二回授業が開催されました
2025年7月26日、福井県では「ざわザワ高校 ~海の未来をつなぐ哲学~」の第2回授業が行われました。このプログラムは、次世代に向けて豊かで美しい海を受け継ぐためのもので、ジャーナリストの堀潤さんや哲学者の岩内章太郎さんが参加し、福井県内の高校生12名と共に「海の可能性」を探る議論が展開されました。
イベントの概要
このイベントは人道の港敦賀ムゼウム及び敦賀市役所で行われ、高校生たちは哲学対話を通じて多様な視点で「幸せの本質」について考えました。参加者は海を介して人とつながることの重要性に気づき、様々な意見を交わしました。
幸せの本質についての哲学対話
第1部では、まず敦賀市にある資料館である「人道の港敦賀ムゼウム」を見学しました。地元の高校生たちがガイドを務め、歴史的背景を紹介。特に「ポーランド孤児」と「ユダヤ難民」に関する2つの歴史の理解が深まり、その後に行われた哲学対話の土台となりました。
岩内先生は、「敦賀が2度も難民を受け入れた歴史から、幸せを考える重要な素材が得られる」とし、生徒たちは80分にわたってこのテーマについて熱心に対話を重ねました。最終的に、「幸せは満たされた欲求と他者との共有に存在する」という結論に至りました。
地域ゲストとの対話
第2部では、地域ゲストとして敦賀フグの養殖を行う漁師、石川恵さんが参加しました。石川さんとのディスカッションでは、敦賀フグが成長するまでの多様な関係者とのつながりについても探求されました。生徒たちは、漁師だけではなく、薄利でつながりを重視する石川さんの姿勢に感銘を受けました。
人とのつながりについての議論
石川さんは自身の仕事を通じて、直販を広げることよりも、人とのつながりを大切にしたいと強調しました。このメッセージを受け生徒たちは「つながり」をテーマに再び哲学対話を行い、誰とつながるかの選択がどのように人生に影響を及ぼすのかを問いました。
最終的に、岩内先生はつながりのポジティブとネガティブな面をそれぞれ理解し、他者との関わり方を深く考えることが重要であると結論付けました。
未来を切り開く旅は続く
「ざわザワ高校」は、ただ単に課題解決を目指すのではなく、海や沿岸地域の新たな可能性を見出すことを目指しています。この授業を通じて、生徒たちは自己認識と他者理解、地域への関心を高め、次世代に向けた責任を感じる重要な経験を得ました。これからの一年間で彼らが見つける「海の可能性」、そしてそれを社会にどう発信していくのか、注目が集まります。
<団体紹介>
一般社団法人福井環境研究開発は、福井県の多様な海洋環境の大切さを伝え、その保護活動に取り組んでいます。詳細は
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