バックカントリーの安全確保に向けた新しい取り組み
冬の山々は、美しい雪景色を楽しむバックカントリー愛好家にとって魅力的な環境ですが、そこには雪崩の危険性も存在します。特定非営利活動法人日本雪崩ネットワークは、こうしたリスクを軽減するための重要な取り組みを進めています。
雪崩情報の無償発表
日本雪崩ネットワークは、2011年から国際標準に基づく雪崩情報を無償で公開しており、感染症の影響で冬のアウトドアが一時減少していたものの、最近では訪日外国人観光客が増加し、その数も増加しています。特に、2015年頃から急増した外国人バックカントリー愛好者のために、雪崩情報の提供はますます重要性を増しています。
雪崩死亡事故の現状
残念ながら、雪崩による死亡事故は依然として存在します。特に、近年の調査によると、コロナ禍の終息に伴い、冬季レクリエーションの事故が増加しています。実際、雪崩による死亡事故の約90%は山岳地域で発生し、そのうち約70%が冬季レクリエーションに関するものです。
雪崩情報の内容とは?
雪崩情報は、どのような雪崩が特定の場所に存在し、それに対する誘発の可能性がどの程度か、さらには万が一雪崩が発生した場合、その規模に関する情報を提供します。これにより、バックカントリー愛好家は行動計画を見直し、適切な斜面選択を行うための助けとなることが目的です。
パートナーシップの重要性
日本雪崩ネットワークは、バックカントリーの安全を確保するために、企業や団体とのパートナーシップを導入しました。この取り組みは、雪崩情報の充実性や継続性を図るもので、パートナーシップには資金面でのサポートや専門性の提供が含まれています。アドバイザーには、雪崩の専門家が加わり、全国で雪崩情報の発表を行っていく計画です。
今シーズンからは、北海道・後志地域において雪崩情報の発表頻度が週3回から毎日へと増加しました。これは、パートナー企業の協力によるもので、地域の安全に大いに貢献しています。
教育と国際的視野
日本雪崩ネットワークは、設立当初から教育に重点を置き、人材育成に努めてきました。この取り組みにより、バックカントリーの安全確保に向けた人的ネットワークが形成され、雪崩情報の提供が強化されています。国際的な視野で活動しているため、海外からの訪問者も安心して楽しむことができるコンテンツも用意されています。
雪崩情報の重要性を理解し、バックカントリーに積極的に関わる皆様のご支援をお願い申し上げます。
お問い合わせ先
日本雪崩ネットワーク
e-mail:
[email protected]
法人概要
- - 名称:特定非営利活動法人日本雪崩ネットワーク
- - 英語名:NPO Japan Avalanche Network(略称:JAN)
- - 設立:2000年4月
- - 活動内容:雪崩教育・情報提供・事故調査などを通じた安全対策の実施