近年、カーボンニュートラルが求められる中、建築業界でも環境負荷の削減が重要視されています。2025年度に導入が予定されているBIMを利用した確認申請制度は、設計段階でのLCA(ライフサイクルアセスメント)対応を必須のものとしています。こうした背景を考慮し、名古屋に本社を置く株式会社フローワークスは、簡単に環境負荷を計算できる「LCA算定機能」の提供を決定しました。
この新機能は、2025年7月1日から利用可能で、BIM標準テンプレートのオプションとして提供されます。LCA計算機能は、国土交通省の建築DX/GX補助金の対象事業に含まれており、BIMによる効率的な環境負荷評価を支援します。
フローワークスの開発したLCA算定機能は、IBEC(一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)の「J-CAT®」との連携が可能です。これにより、Vectorworks BIMで作成したデータをワンクリックでJ-CATに転送し、自動的にLCAが算定されます。さらに、省エネ基準にも準拠しており、一次エネルギー消費やCO₂排出量の効率的な算定も実現しています。これにより建物の製造から解体まで、環境負荷を早期に評価でき、さまざまなプロジェクトでの利用が期待されます。
特に、国土交通省のガイドラインに基づく非住宅用途の中規模以上の設計案件を主なターゲットとしており、3階建てのオフィスビルや戸数の多い集合住宅などの設計事務所や建設会社を対象にしています。また、これまでRevitを使用していた設計者たちにもVectorworksへの移行を促進し、共同作業のニーズを喚起する狙いもあります。
LCA算定機能の価格は、「BIM導入支援サブスクリプション」に加え月額5000円で提供されます。7月1日から31日の間は、無償でカスタムテンプレートを提供する試用期間も設定されています。
フローワークスは、今後もLCA算定機能や、建築DX/GX補助金を活用した導入支援セミナー、展示会などでのデモ展示を予定しています。最新情報は、フローワークスのPeatixアカウントをフォローすることで得られます。
株式会社フローワークスは、 "BIMを誰もが簡単に"というビジョンのもと、建築分野でのデジタル設計インフラの構築に取り組んでいます。設立からの6年間で蓄積した経験をもとに、中小規模の設計事務所から大規模プロジェクトまで対応し、各種テンプレートの作成とサポートを行ってきました。これにより、設計環境を大きく改善することを目指しています。このBIM導入支援により、建築業界のさらなる発展につなげることが期待されます。