福岡大学における1型糖尿病研究の新たな展開
福岡大学は、特定非営利活動法人日本IDDMネットワークから最新の研究助成を受け、この度1型糖尿病患者への支援を強化するプロジェクトをスタートさせます。この支援は、ふるさと納税制度を活用したもので、1000万円の助成金が提供されます。即ち、1型糖尿病に対する新たな治療法の確立を目指した研究が進められることになります。
贈呈式の詳細
贈呈式は平成31年1月30日(水)の11時20分から12時00分に行われ、場所は福岡大学本館2階の第2会議室で予定されています。この式には、福岡大学の学長である山口政俊氏、医学部の教授で再生医学研究所の所長を務める小玉正太氏、日本IDDMネットワークの専務理事である大村詠一氏が出席します。
研究の目的と背景
今回の助成は、「臨床応用に向けたバイオ人工膵島の長期生着に関する研究」と題されており、研究の主導者は福岡大学医学部の小玉正太教授です。1型糖尿病の治療法として期待されている膵島移植は、膵臓移植に比べて手術時の身体的な負担が軽く、また患者はインスリン治療からの解放を目指せる点で高い関心を集めています。しかし、この治療法は提供される膵島細胞の不足が深刻な課題となっています。これに対する解決策として、バイオ人工膵島の移植へと進む研究です。
これまでの研究では、移植に適した部位の選定や、炎症を抑制しながら膵島の再生を促す方法を探ってきました。今後は、新たに実施される大型動物での実験により、効果的な移植技術の確立を目指します。移植された膵島が長期間機能し続けるかを確認することが焦点となります。
研究室訪問の取り組み
贈呈式の後には、1型糖尿病患者やその家族が研究室を訪れる場も設けられます。この交流イベントは、患者や家族と研究者が一緒になって未来の「治る病」となる道を共有する貴重な機会です。研究者たちにとって、実際の患者の声を聞くことでモチベーションが高まり、より良い成果を生む助けになることが期待されています。
1型糖尿病とは
1型糖尿病は、主に小児期に発症する難病で、現在の医療技術では生涯にわたり1日4~5回のインスリン注射が欠かせません。希少性から受ける精神的および経済的な負担が大きく、支援が求められています。国内での発症率は10万人当たり1~2人と非常に低く、治療において特別なアプローチが必要です。
日本IDDMネットワークの活動
日本IDDMネットワークは、1995年に設立され、患者やその家族が主体となって活動を行っています。同ネットワークは、2005年から1型糖尿病研究基金を設立し、これまでに50件以上、合計2億6060万円以上の研究費助成を行っています。これらの助成は、患者や家族からの寄付と、特定の自治体を通じたふるさと納税によって支えられています。
特に、佐賀県庁は日本IDDMネットワークに指定されたふるさと納税先となっており、全国からの支持を受けながら活動しています。
お問い合わせ先
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