業界最小回路電流を実現
ローム株式会社は、革命的な超小型CMOSオペアンプ『TLR1901GXZ』を開発しました。この新製品は、特にハンディ計測器やウェアラブルデバイス、屋内検知器など、動作時の電力消費を抑えつつ、高精度な計測を要求される小型アプリケーションに最適です。特筆すべきは、業界最小の160nAの動作回路電流を実現している点です。これにより、デバイスの長寿命化や長時間の稼働が可能となります。
超小型設計のメリット
『TLR1901GXZ』は、ボールピッチを0.35mmまで狭めたWLCSP(Wafer Level Chip Scale Package)を採用しており、1mm角以下の超小型化を成し遂げました。この小型パッケージにより、高密度な実装が可能となり、限られたスペースへの装着が容易になります。また、これに伴い、バッテリーの効率的な使用が促進されるため、エコロジーに配慮した製品とも言えるでしょう。
高精度な動作を実現
さらに、本オペアンプの入力オフセット電圧は最大0.55mVに抑えられており、一般品と比較して約45%も低減されています。また、温度ドリフトに関しても7µV/℃を保証しており、温度変化に対する高精度な動作が可能です。特に、外部温度の変化に敏感な機器においても、その性能を発揮します。
周辺部品との相性
この製品は、ロームの超小型抵抗器MCR004(0402サイズ)やMCR006(0603サイズ)と組み合わせることで、さらなる自由度のある設計を実現できます。0402サイズのMCR004Eは、環境負荷を低減した完全Pbフリータイプであり、持続可能な社会の実現にも寄与しています。
量産体制と販売について
『TLR1901GXZ』は2025年6月より月産2万個の体制で量産を開始し、インターネット販売にも対応します。具体的には、コアスタッフオンラインやチップワンストップといった通販サイトからでも購入可能です。サンプル価格は税抜きで300円とリーズナブルで、IC実装済みのSSOP5への変換基板も用意されていますので、初期の評価や置き換え検討に役立ちます。
おわりに
ロームは今後も、小型化や独自の超低消費電流技術を駆使して、オペアンプのさらなる省電力化を追求していく方針です。また、低ノイズ、高精度、電源電圧範囲の拡張といった高性能化にも取り組み、アプリケーションにおける制御精度の向上を図ることで、社会的な課題の解決に貢献していく所存です。