AZUL Energyと東北大学の挑戦
東北大学発のスタートアップ、AZUL Energy株式会社が注目を浴びています。最新の話題は、同社の藪研究室との合同チームが「TOKYO PRIZE Carbon Reduction」で入賞したことです。このプロジェクトは、二酸化炭素(CO₂)排出削減を目的とした国内最大級の懸賞型研究開発事業で、50を超えるチームが応募しましたが、その中で選ばれたことは大きな成果といえるでしょう。
受賞の背景
「TOKYO PRIZE Carbon Reduction」は、環境問題解決を目指し、特にCO₂の削減技術を競う事業です。東北大学の藪研究室とAZUL Energyが手掛けたのは、独自に開発されたレアメタルフリーの触媒、"AZUL触媒"を基にしたCO₂の有効利用技術です。2025年3月12日に東京の六本木で行われた最終発表会において、この技術が高く評価され、見事入賞しました。
AZUL触媒とは?
AZUL触媒は、青色顔料として知られる金属アザフタロシアニンを炭素に結合させた新しい触媒です。この触媒の特性により、様々な電気化学反応に対応できるのが特徴です。藪研究室による研究によって、特定の中心金属を持つAZUL触媒がCO₂の還元性能を発揮することが確認され、これが入賞の直接的な要因となりました。
課題と今後の展望
CO₂の削減は、単なる回収だけでなく、化合物に変換し有効活用することが求められます。従来、CO₂を炭化水素化合物に変えるためには、貴重なレアメタルが必要でしたが、これらの資源制約が普及の障壁となっていました。しかし、AZUL触媒はその価格競争力やサステナビリティから、今後のCCU(Carbon Capture and Utilization)分野において重要な役割を果たすことが期待されています。
AZUL Energyは、「Empower Your Energy Future」をモットーに、空気電池や燃料電池、水素製造装置にAZUL触媒を組み込んで社会実装を進めています。未来のエネルギーデバイスに加え、カーボンリサイクル分野への応用も模索しており、持続可能な社会の構築に貢献する方針です。
AZUL Energyのビジョン
AZUL Energyは、次世代エネルギーデバイス向けの高性能触媒「AZUL触媒」を開発することにより、すべての人に持続可能かつ信頼できるエネルギーを提供することを目指しています。彼らは独自の技術を活かして、環境に優しいエネルギーシステムを普及させ、全人類が手にできるエネルギーへのアクセスを確保するための道を歩んでいます。
このような取り組みが、持続可能な社会の実現に向けた一歩となることを願っています。