令和6年度学術情報基盤調査結果:大学図書館とネットワーク環境の現状
令和6年度学術情報基盤実態調査結果の報告
文部科学省は、国公私立大学における図書館およびコンピュータ・ネットワーク環境の現状について、毎年実施している「学術情報基盤実態調査」の令和6年度結果を公表しました。この調査は、大学の学術環境の充実と改善に向けた基礎資料とされており、これまでの年度ごとのデータの推移を確認することが重要です。
大学図書館編の主な結果
令和5年度における大学図書館の資料費は748億円、前年より30億円の増加となりました。このうち、紙媒体の資料にかかる経費は210億円で、前年と比べ11億円の減少が見られました。一方、電子媒体に関しては414億円が支出され、36億円の増加を記録しています。この傾向は、デジタル資源への移行が進んでいることを示唆しています。
さらに、オープンアクセスポリシーを策定している大学は215校(全体の26.3%)に達しており、前年から44校の増加が見られました。オープンアクセスは、研究成果の公開を促進するための重要な政策であり、今後の研究活動においてもますます重要な役割を果たすと考えられます。
コンピュータ及びネットワーク環境の現状
学内ネットワークを有する816大学のうち、通信速度が10Gbps以上の回線を整備している大学は388校(47.5%)です。この数値は前年から23校の増加を記録しました。また、対外接続を行っている814大学の中で同様に10Gbps以上の回線を整備している大学は365校(44.8%)となり、31校の増加となりました。これは、大学間での情報交換や研究活動が増加していることを反映しています。
さらに、研究データポリシーを策定している大学は258校(31.6%)となり、前年よりも47校の増加が見られました。このポリシーは、研究データの管理と利活用を促進し、大学や研究機関における情報の透明性の向上に寄与します。
調査の意義と今後の展望
「学術情報基盤実態調査」は、大学の教育・研究環境を改善するための重要な基盤データを提供します。これにより、大学は効率的な図書館管理や先進的なネットワーク施策を推進できるようになります。今後もこの調査結果を基に、さらなる充実した学習・研究環境の実現が期待されます。
文部科学省は、引き続き大学が抱える課題に対し、必要な支援を行っていく方針です。調査結果を通して、大学全体の教育・研究水準向上を図り、次世代を担う人材育成に寄与することが求められています。