転職エージェントの実態が浮き彫りに!
転職市場の活況とは裏腹に、求職者たちが直面している深刻な問題が、最近行われた調査で明らかになりました。株式会社CAREER FOCUSによる500人を対象にしたアンケート調査によると、実に63%の転職者が「エージェントから聞いていた話と実際が異なる」と感じ、いわば「求人詐欺まがい」の経験をしているというのです。
調査概要と背景
この調査は、転職エージェントの利用実態と満足度を探るもので、男女500名を対象に実施されました。得られたデータは、求職者が直面する様々な課題を示しています。特に注目すべきは、63%が感じた入社後のギャップです。これは、情報の虚偽や誇張がもたらすもので、求職者の選択を著しく左右しています。
入社後のギャップについて
ギャップを感じた315名の中で最も多く挙げられたのは「業務内容」で、次いで「残業時間」「給与」が同率で続きました。例えば、30代のIT業界に従事するAさんは、「残業は月10時間程度と聞いていたが、実際は毎日2時間以上」と告白しています。夜勤についても同様の悲惨な状況があることが語られています。
エージェントの圧力に戸惑う求職者たち
さらに、58%の利用者が「エージェントのノルマや手数料目的の圧力」を感じています。応募の強要や内定承諾の急かしなど、求職者に対する不当な扱いが目立っています。40代の製造業の男性は、「内定通知後すぐに『人気がある求人なので、今日中に回答を』と言われ、十分な検討ができなかった」と語っています。
求人探しの圧迫感と圧迫キャリア相談
「圧迫キャリア相談」と題して、エージェントからの否定的な意見を受けた求職者の体験談も共有されました。「その年齢では無理」と頭ごなしに否定されたというエピソードもあり、求職者の自尊心を傷つける場面が多く見られます。このような言動は、求職者にとって大きな不安の種となることでしょう。
転職活動における機会損失
転職活動が不利になるケースも多々あります。「不採用となった企業には再度自己応募できなくなる」との声は、多くの求職者から上がっています。エージェントの質の低下や担当者の交代により、求職者は機会を逃し、悲鳴を上げています。
悪質エージェントを見抜くポイント
求職者が被害に遭わないためには、悪質なエージェントを見抜くためのポイントがあります。「今日中に決めないと枠が埋まる」と急かすエージェントには注意が必要です。また、希望条件を無視する態度や、求人票にない情報を開示しない姿勢も警戒すべきです。
最後に
株式会社CAREER FOCUSの代表取締役、東田尚起氏は、今回の調査結果を受け「求職者のキャリアに寄り添った情報提供が求められる」と述べています。転職エージェント業界は、その透明性と倫理観を見直す必要があります。求職者が安心してキャリアを築くためには、真のキャリアパートナーとしての役割が求められる時代なのです。