「外国人が見た日本での仕事と文化体験 ~ワーキングホリデー利用の声~」
日本には今、200万人を超える外国人が働いており、その数はさらに増加する見込みです。前回の記事では、企業が外国人を雇用する際のメリットやデメリットについて触れました。今回は視点を変え、実際に日本で働く外国人、「雇われる側」の意識について探ります。特に、ワーキングホリデー制度を最大限に活用して、日本での生活と仕事を希望している外国人の生の声をお届けします。
ワーキングホリデー制度とは
弊社ではワーキングホリデー制度を利用し、日本での就労と生活を希望する外国人材の募集を行っており、その後の定着支援にも力を入れています。短期的な労働力補完にとどまらず、中長期的な視点で外国人材の直接雇用促進を目指しています。
実態調査の結果について
今回は、台湾と韓国から参加した284名の外国人材の中から77名を内定に導いた実績をもとに、43名の外国人に対して日本での就労体験に関するヒアリングを実施しました。
調査の結果、約51.2%の参加者が「日本で引き続き働きたい」と感じていることが分かりました。就労した場所への愛着や日本の「おもてなし」文化を学びたいという意見が多く、観光業や接客業への希望も顕著でした。具体的には、「教育や航空業界に関わりたい」といった意見や、日本のアニメ文化に関心を持つ者の声もありました。特に、就労した企業に対する強い思い入れやブランド意識が伺えました。
外国人がその企業のファンであり、就労すること自体が一種のステータスと感じている様子が見受けられるのです。
語学力への期待
また、日本での語学スキルの向上も就労意欲に寄与しています。インバウンド需要の高まりに伴い、観光地では通訳の必要性が高まっています。多くの外国人が、自分の語学能力を活かして、接客業などで活躍できることを実感しているのです。日本語だけでなく英語も学ぶ機会が増え、スタッフから感謝されることが大きなやりがいに繋がっています。
環境面の課題
一方で、日本の気候の暑さには驚く声が多く上がっています。「想像以上の暑さで熱中症になりそうだった」、「外での仕事が厳しかった」といった感想もあり、働く環境についてのギャップが明らかになりました。
さらに、日本での就職活動やビザ取得に関する複雑さに戸惑っている外国人も多いのです。労働ビザの資格や取得方法に不安を持つ声が調査で見えました。
雇用側の準備の重要性
外国人雇用を検討する企業側も、準備が不可欠です。日本人雇用と外国人雇用、特にワーキングホリデーの外国人を雇用する場合の相違点を理解することが求められます。この点について詳しいガイドラインを作成し、企業が円滑に外国人を受け入れられるよう努めることが、今後の重要な課題です。
まとめ
ヒアリングの結果、日本での就労を経験した外国人の多くが日本に対して好意的な印象を持っています。また、実際に働いてみて初めて気づく課題もあり、それらを解決するためのサポートが不可欠であることが強調されました。
この機会を通じて、外国人のみならず、すべての労働者に対して「働く環境に配慮すること」を考えるきっかけにしていただければ幸いです。