手漉き和紙絵巻『鳥獣戯画』の奉納
2026年3月2日、京都の栂尾山高山寺にて、手漉き和紙の芸術作品『鳥獣戯画~手漉き和紙ができるまで~』が奉納されました。この絵巻は、東京都港区にある「企画屋かざあな」が運営する「わしのねりプロジェクト」によって制作されました。2024年には、日本の手漉き和紙技術がユネスコ無形文化遺産に登録されてから10周年を迎えます。その記念事業として、この作品が誕生しました。
働きかける人々の物語
「わしのねりプロジェクト」は、生産が不安定な手漉き和紙の原料「ねり(トロロアオイ)」を個人の家庭で栽培し、それを地域の農家や職人に届ける活動です。これにより、和紙の原料不足を解消しようとする取り組みが行われています。このプロジェクトを通じて、一般家庭と職人たちが協力し、手漉き和紙の存続と発展への意識を高めています。
絵巻の内容とその特性
絵巻『鳥獣戯画~手漉き和紙ができるまで~』は、国宝『鳥獣人物戯画』が伝わる高山寺の許可を受けて制作されました。この作品では、手漉き和紙の原料となる楮やトロロアオイの栽培や、実際の紙漉きの工程を動物たちの姿を通じて描写しています。全長約11.5メートルにも渡る巻物は、埼玉県小川町、岐阜県美濃市、島根県浜田市の三つの産地から産出された和紙を用いて制作されています。
表装は、京都・西陣の伝統を受け継ぐ京表具師、藤田竜也氏が手掛けました。和紙の風合いや厚さが異なるため、つなぎ合わせた後の調整には特に工夫が必要で、最適な形で保存性と可読性を両立させることに努めました。
展示会と未来への展望
本絵巻は、2024年11月の京都市の町屋を皮切りに、長野県小諸市の海應院や埼玉県小川町でも展示会が行われる予定です。多くの方々が展示会に訪れることで、手漉き和紙に対する理解を深める機会を提供できるよう、今後も邁進していきます。展示の開催や貸し出しについては、個別の相談が可能です。
手漉き和紙という日本の伝統技術が引き継がれることを願い、「わしのねりプロジェクト」が一層盛り上がることを期待しています。これからも、和紙の魅力を広げていく活動に御注目ください。
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