熊本県のスマホアプリ「心スキャン」が医療費削減を促進!
株式会社ココロミルが開発したスマホアプリ「心スキャン」は、医療費や介護費の削減に寄与することを目指しています。熊本県が選定したUXプロジェクトの一環として、このアプリは予防医療の実装に向けた重要な役割を果たす計画です。
プロジェクトの概要
ココロミルは、令和7年度(2025年度)の「UXプロジェクト コーディネート事業」に2年連続で選定されました。このプロジェクトでは、実証実験を経て多くの知見を得ており、今回の取り組みではユーザーのインサイトをさらに深掘りし、より良い体験を設計することに注力します。特に、アプリが「使われ続ける仕組み」を実現するために、UIや体験設計を最適化し、地域展開モデルを構築することが中心的なテーマです。
実証実験の成果
昨年度行われた実証実験では、参加者の87%が「定期的に受ける必要性を感じた」と回答し、70%が「毎日チェックできる」と認識しています。このデータは、心不全や不整脈のリスクを計測する「心スキャン」アプリの有効性を示すものです。さらに、在宅型心電図検査「ホーム心臓ドック®」での検査に進んだ18名の中で4名がC判定となり、受診に結びつく事例も確認されました。これにより、スクリーニングから精密検査、受診に繋がる効果的な導線が示されたのです。
社会的インパクト
今後の展望として、ココロミルは以下の社会的効果を目指しています。
1.
未受診層へのアプローチ:スマホによる手軽な健康測定文化の醸成。
2.
医療アクセスの平準化:在宅スクリーニングから精密検査、受診の流れを普及させる。
3.
医療費・介護費の削減:不整脈や心房細動の早期発見による重症化の回避。
4.
企業の健康投資:安価で高頻度のヘルスチェックを可能にし、就業世代の健康を支援します。
具体的な活動内容
このプロジェクトにおける具体的な活動は、ユーザーリサーチや機能検証を通じて忌憚のない意見を収集し、それに基づいてアプリの機能を改善します。特に、AI相談機能の応答精度や行動変容効果を検証し、検査から治療に繋げるための地域医療ネットワークの形成を進めていきます。さらには、自治体や企業と連携し、定常運用モデルの設計を行います。
まとめ
熊本の地域密着型プロジェクトとして進むこの取り組みは、医療をより身近で手軽なものにすることを目指しています。ココロミルの代表取締役林大貴氏は、「熊本での実証を経て、予防医療を日常生活の一部にする設計が必要であると感じています。そして、この一連の体験を県内から全国に波及させていくことが目標です」と語っています。ココロミルが目指す未来の医療の姿に、今後も注目が集まります。