スコットランドでの新作オペラ「The Great Wave」
2026年2月、スコットランドにて世界初演を迎えるオペラ「The Great Wave」は、往年の日本画家、葛飾北斎の生涯をテーマにした作品です。このプロジェクトは、株式会社NTT ArtTechnologyの支援のもと進められており、舞台美術制作とともに、特別展示「Digital × Hokusai in Scotland: The Life of Hokusai」も開催されます。
1. 背景と目的
NTT ArtTechnologyは、デジタル技術を活用して新しい文化芸術鑑賞体験を提供する「分散型デジタルミュージアム構想」に取り組んでいます。その一環として、北斎を題材にした「Digital×北斎」プロジェクトを、株式会社アルステクネと共同で進めています。このプロジェクトは、北斎が追い求めた多様な表現と創造の探求をより深く理解することを目指しています。
2. オペラ「The Great Wave」について
オペラ「The Great Wave」は、作曲家藤倉大と脚本家ハリー・ロスの共同制作で、北斎のキャリア全体を通じての物語が描かれます。演出は公益財団法人静岡県舞台芸術センターの宮城聰が担当しており、北斎のデビューから晩年までの約80作品が舞台美術として使用されます。観客は、北斎の作品を通じて、彼の生涯や創作への情熱を体感することができるでしょう。
3. 実施内容
(1) オペラ「The Great Wave」の舞台美術制作への協力
NTT ArtTechnologyは2022年からオペラ制作に向けたリサーチにも協力しており、北斎作品の魅力を広める活動を行ってきました。特に、北斎が長野県小布施町を訪れた際に残した肉筆画についての展示も計画されています。
(2) 特別展示「Digital × Hokusai in Scotland」
上演に合わせて、Theatre Royal GlasgowおよびFestival Theatre Edinburghで「Digital × Hokusai in Scotland: The Life of Hokusai」と題した特別展示が行われます。この展示では、北斎の重要な作品約50点が展示され、デジタル技術を用いて観賞体験を新たに提供します。
展示内容には、北斎作品のデジタルデータを使用した複製画や解説パネル、インタラクティブな鑑賞デバイスが含まれ、観客は北斎の作品を新しい形で楽しむことができます。また、オペラの進行に合わせて展示される作品の変化も計画されており、北斎の新たな側面を発見できるでしょう。
4. 宮城聰のインタビュー
演出の宮城聰は、オペラの前半では北斎が「ベロ藍」を用いて理想的な錦絵を完成させる過程を描くとし、後半には肉筆画に注力した創作を紹介します。この展示を通じて、観客は北斎の芸術世界の新たな側面に触れることができると述べています。
まとめ
スコットランドでの新作オペラ「The Great Wave」と、その関連展示は、北斎の偉大な作品と精神を体感できる貴重な機会です。日本文化の発信と、新たな文化芸術体験を提供するこの試みは、全国的な注目を集めることでしょう。