折り曲げても使える!透明導電膜技術の最前線
近年、エレクトロニクス分野においてフレキシブルデバイスの需要が高まっています。その中で、工学院大学の永井裕己准教授が開発した「折り曲げても通電する透明導電膜」の技術が注目を集めています。この革新的な技術は、従来の導電膜とは一線を画すものです。
この新しい導電膜は、カーボンナノチューブを含むプレカーサー溶液を使用しており、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板に塗布・酸処理することで形成されます。この方法により、ガラスと同じレベルの透明性と強度を持つフレキシブル導電膜が実現されました。特に、金属を使用せずに高い密着性と柔軟性を持っている点が大きな特徴です。
8月21・22日に大学見本市で披露
この技術は、2025年8月21日と22日に開催される「大学見本市2025~イノベーション・ジャパン」で初めて披露されます。このイベントは、国立研究開発法人科学技術振興機構が主催しており、企業との技術交流が期待されています。本研究では、折り曲げてもLEDが点灯する透明導電膜の実演も行われる予定です。
実用化に向けた進展
研究の進展により、今回開発された導電膜はすでに特許も取得しています。この導電膜は、太陽電池やフレキシブルデバイス、さらには窓ガラスなど、幅広い分野での実用化が見込まれています。特に、製造工程がシンプルであることから、量産化や大面積化が容易で、製造コストの大幅な削減も期待されます。
例えば、従来の金属酸化物や銀ナノワイヤーなどの導電材料に比べ、この透明導電膜は環境にも配慮した素材として注目されています。これにより、カーボンニュートラルな技術開発としても位置付けられることになります。
技術の地域貢献
このような最先端技術の発表を通じて、工学院大学は地域の企業との連携を強化し、産学連携の促進を目指しています。企業にとっても、新しいテクノロジーの理解は今後のビジネス展開において重要な鍵となります。参加対象者には企業の技術開発担当者や営業担当者などが含まれており、技術革新の触媒となることでしょう。
プログラムと参加方法
大学見本市では、展示に加えて「ピッチプレゼン」も行われます。永井准教授は、8月22日の13:50から13:55の間に技術を説明します。このような機会を通じて、参加者は実際に技術のビジョンを聞き、将来の展望を共有することができます。
本展示会は公開されていますので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。工学院大学の新たな取り組みと最新の研究成果が、私たちの日常をどのように変えるのか、ぜひその目で確かめてみてください。
詳細情報
- - 開催日時: 2025年8月21日(木)、22日(金) 10:00-17:00
- - 会場: 東京ビッグサイト 西展示棟 西4ホール
- - 参加費用: 無料
- - 申込サイト: 公式サイト
この革新的な導電膜が、未来のテクノロジーをどのように彩るのか、非常に楽しみです。